どうすれば自分の「かかりつけ医」を決められるのか?
公開: 更新:
東京都医師会理事で「葛西中央病院」院長の土谷明男氏が5月22日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。かかりつけ医について語った。
「かかりつけ医」は患者が自由に選ぶ
飯田浩司アナウンサー)コロナ禍で重要度が認識されるようになった「かかりつけ医」について、新型コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられたタイミングで、改めて考えていきたいと思います。かかりつけ医の定義はあるのでしょうか?
土谷)かかりつけ医の定義については、日本医師会や病院などで決めているものはありますが、漠然としていてはっきりしていません。
飯田)「何かあったときにまず頼るお医者さん」というイメージがありますけれど。
土谷)それでいいと思います。大事なのは「かかりつけのお医者さん」と言ったときに、医者の方から「この人が自分の病院のかかりつけだ」と言う場合もありますが、それはあとの話で、まずは患者さんが自由にかかりつけ医を選んでもらうことが大切です。
飯田)国によって、保険やお医者さんの制度は違いますからね。日本は「この地域にはこのお医者さんがいるからかかってください」という、イギリスのような方式とは違うということですね。
土谷)医療については、国ごとに医療制度も違いますし、文化的な背景も違います。医者に対しての考えは、それぞれの国や地域で変わるものだと思います。
かかりつけ医は病気ごとに複数いてもいい
飯田)かかりつけ医と言われると、内科のお医者さんというイメージがあるのですが。
土谷)たくさんいてもいいと思うのです。
飯田)たくさんいてもいい?
土谷)1人の人間がいろいろな医者にかかっているのは事実です。例えば心臓が悪いので心臓の先生に診てもらっている、血圧を診てもらっている。あるいは糖尿病もあれば、内科だけでも2人~3人いるかも知れません。
飯田)かかりつけのお医者さんが。
土谷)膝が痛いとか、目が悪いのであれば、それぞれにかかりつけの医者がいてもいいと思います。1人の医者がすべての疾患を診ることができ、1対1で対応するのが理想ですけれども、1人の医者がすべてを詳しく知っているという状態になるのは、いまの医療の範囲では難しいと思います。何人かで1人の人間を一緒に診ていくという形がいいのではないかと、東京都医師会としては考えております。
飯田)地域によっても違いますよね。地方部ではお医者さんの数が少ないから、1人のお医者さんが全部を診るというところもあるかも知れませんが、都市部であれば、それぞれ得意分野を診るような形が成立します。
土谷)そうですね。
医者は常に新しい知識を学ぶ必要がある
飯田)土谷先生は整形外科医ですが、分野ごとに医療技術も進歩していると思います。それに追いついていくためには、論文を読むことなども含めて大変なのでしょうね。
土谷)どのお医者さんも勉強しています。学会に参加して最新の医療を勉強する。あるいは「新しい薬を発売したので、このように使ってください。こういう問題があります」と、薬のメーカーさんが説明会を開催することもあります。そういう場所で薬の治療について学ぶことが多いですね。
飯田)常に勉強し続けなければいけないのですか?
土谷)知識は古くなりますので、常に新しいことを学んでいかなければなりません。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます