災害時に備えて、「3日分」の備蓄を自宅に用意しておく
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東京都医師会救急委員会委員長で「平成立石病院」院長、救急科医師の大桃丈知氏が6月2日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。災害時の備蓄について解説した。
災害時の浸水から守るため、重要な構造物は2階以上に設置 ~平成立石病院では、薬関係を6階に
飯田浩司アナウンサー)各病院における災害医療について伺います。先生は葛飾区にある「平成立石病院」に勤められていますが、東京都のなかでは東の方の城東に位置し、近くに荒川や中川などの大きな川も流れています。水害の可能性もありますし、地震に関しては地域によって木造住宅が密集している場所もある。いろいろと考えなければならないことも多いと思いますが、どんな対策を想定されていますか?
大桃)重要な構造物は、すべて浸水を免れることができるであろう2階以上に設置しています。これも東日本大震災のときの経験です。重たいものは出し入れを考えて1階に置くことが多いのですが、私どもの医療機関は医療を提供していくために、必要な薬関係は6階に設置しています。
飯田)浸水するのを防ぐため。
大桃)「機能維持」という言葉を使いますが、ある程度、被災することは仕方がないですよね。病院がゼロメートル地帯に建っていること自体、水害から免れることはできませんので、ある程度の被災を前提に、病院の機能を維持するにはどうしたらよいのかを考え、普段から備えておく。こうした意識が必要になると思います。
新行市佳アナウンサー)病院内での備蓄はどうなっていますか?
大桃)災害拠点病院は、災害時には通常の約2倍の入院患者数を受け入れることになりますし、約5倍の外来患者数を受け入れる計画になっています。「それに対応するだけの備えを普段からしている」とは言えると思います。
最低3日間、家族の命をつなぐ食事などの備えをしておく
飯田)最後に、医療を受ける方々へのメッセージをお願いします。
大桃)自治体が勧める避難所に、その地域の方々全員が入れるかと言うと、残念ながらほとんどの地域にそのキャパシティはありません。
飯田)全員が入ることはできない。
大桃)「在宅避難」という言葉がありますが、普段、ご自身が住み慣れた場所を使いながら避難していただく。そのためには外部からの供給がなくても、最低3日間ぐらいはご家族の命をつなぐことができる食事や、お手洗いの準備などを備えていただけたらと思います。
飯田)3日間分の準備。
大桃)万が一、ケガやご病気があるときにはSOSを発信していただき、地元の医師会を中心とした医療従事者が皆さまの健康を維持する。そうした仕組みを整えていますので、どうしたらSOSをキャッチしてもらえるかについても、普段から気を付けつつ準備していただければと思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます