新型コロナ「5類」移行で医療費はどう変わったのか

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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が6月6日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。5類移行後の新型コロナの医療費の変化などについて語った。

新型コロナ「5類」移行で医療費はどう変わったのか

※画像はイメージです

新型コロナが5類になり、医療費は一部負担に

飯田浩司アナウンサー)分類が5類となった新型コロナですが、公費負担だった医療費が一部自己負担になりました。「負担が増える」あるいは「診療を控えてしまうのではないか」などと言われていましたが、ご覧になっていていかがですか?

尾﨑)私のクリニックの場合、「検査はやらないでいいから」などとおっしゃる方は比較的少ないですね。むしろ「有料でもやって欲しい」という人の方が多いと思います。ただ、体調が悪くても「お金が掛かるから」と医療機関へ行かない方が、どれくらいいるのかはわからないですね。

飯田)診療を控えている方はそれぞれ点々としているので、わからないですよね。

新型コロナ専用の3種類の経口薬「パキロビッド」「ラゲブリオ」「ゾコーバ」は、2023年9月30日までは公費負担で治療を受けられる

飯田)医療費は一部自己負担になりましたが、治療薬などは公費負担を継続しているのですよね?

尾﨑)そうです。例えばインフルエンザの場合、当然ですがすべて保険診療です。しかしコロナの場合、コロナ専用の経口薬が3種類ありますが、これについては9月まで無料ですので、活用していただきたいと思います。

飯田)負担になるのは対症療法的な、熱を下げる薬など。そういう部分は保険診療になってくる。

尾﨑)そうです。例えば重症化予防の「パキロビッド」や「ラゲブリオ」、若い人にも使える「ゾコーバ」があります。併用禁忌薬を飲んでいない方であれば、そういう薬を使うと1日~2日で熱が下がり、他の症状も取れます。

飯田)1日~2日で。

尾﨑)いまは5日間の療養が必要ですが、5日の間によくなるケースが多いです。後遺症もほとんど残りません。重症化しやすい人やワクチンを打っていない人、後遺症が心配な人は相談してみて、使えるのであれば積極的に服用していただきたいと思います。

新型コロナ「5類」移行で医療費はどう変わったのか

新行市佳アナウンサー、尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

環境的にビル内が多い東京の医療機関の事情

飯田)コロナ感染の疑いがある場合、いままでは発熱外来など、一部でしか外来の受け入れができませんでしたが、形式上はすべての医療機関で診ることができるようになりました。現時点ではいかがですか?

尾﨑)現在のコロナは「XBB株」が主体で、インフルエンザに比べても感染力が強いです。そういうなかで、東京はビル診が多いのです。

飯田)ビルにある診療所。

尾﨑)そうです。ビルのギリギリのスペースを借りていますから、他の患者さんと空間を分けることが難しい。

飯田)ビルのなかの診療所は。

尾﨑)「午後4時からはコロナを診よう」と思った先生がいたとしても、その階まで行くエレベーターを、コロナ感染の疑いのある人が他のテナントの人と一緒に上下するわけで、ビルの持ち主の方が「それは危険だから困る」とおっしゃることもあります。そうした都合で診療できないクリニックも、東京では少なくありません。

飯田)数字だけを見て、例えば「地方は8~9割協力しているのに、東京は何だ!?」と思うのは短絡的かも知れない。

尾﨑)いろいろな条件のなかで、「うちでも診られる」というところは協力していると思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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