各地で流行する子どもの感染症「ヘルパンギーナ」 注意点を専門医が解説

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東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が7月4日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。小児に流行している「ヘルパンギーナ」について語った。

各地で流行する子どもの感染症「ヘルパンギーナ」 注意点を専門医が解説

※画像はイメージです

「ヘルパンギーナ」 ~発熱と喉の痛み

飯田浩司アナウンサー)流行警報が出たというヘルパンギーナについて伺います。どういう症状が出るのでしょうか?

川上)ヘルパンギーナはウイルス性の疾患なのですが、単一のウイルスによって起こるものではなく、いくつかのウイルスが似たような症状を出すのです。いちばんの症状は発熱です。

飯田)発熱。

川上)それから喉の痛みです。喉の奥の扁桃腺がある辺りに、口内炎のような粘膜疹が出ます。これが喉の痛みの原因になるのです。

飛沫感染と経口感染によって罹患 ~感染力は強力

飯田)感染経路は何が考えられるのでしょうか?

川上)1つは飛沫感染です。あとはウイルスが手に触れて、その手で口を触ったり、お菓子などを食べるというような経口感染ですね。口から入る経路もあるのではないかと言われています。

飯田)感染力は強いのですか?

川上)かなり強いです。学校では1つのクラスで出てしまうと、校内全体へ一気に広がる傾向があります。

各地で流行する子どもの感染症「ヘルパンギーナ」 注意点を専門医が解説

新行市佳アナウンサー、川上一恵氏、飯田浩司アナウンサー

基本的には対症療法しかできない

新行市佳アナウンサー)どのような治療が行われるのでしょうか?

川上)基本的には、熱が高い場合は解熱剤を使うなど、対症療法になります。また、喉の痛みに対しては特別な治療がありません。飲食は工夫して凌ぎます。

飯田)子どもは喉が痛くなると、てきめんに食べなくなりますよね。

川上)本当に小さいお子さんは説得しても言うことを聞いてくれないので、治療は苦労いたします。

飯田)食べない、飲まないとなると、さらに抵抗力がなくなってしまいますものね。

川上)熱が出ている上に「食べない、飲まない」となると脱水になってしまいます。それが怖い病気です。

飯田)ゼリーなどで何とかするのですか?

川上)喉越しのいいもの、例えば冷たくて甘いトロンとしたもので、水分が多く含まれるものなどを選んでいただくといいと思います。飯田さんがおっしゃったように、ゼリーは優れています。ただ、柑橘系のゼリーだと少ししみる可能性があるので、そこは注意を要します。

飯田)ゼリー飲料など。

川上)そうですね。よくお母さんたちに「ヨーグルトはどうですか?」と聞かれますが、ヨーグルトは少し酸味がきついかも知れません。2歳を超えて食べたことがあれば、バニラアイスなどは栄養価も高いですし、冷たさで喉の痛みを少し麻痺させてくれるので、食べられるかと思います。

大人でも感染する

飯田)大人も感染するのでしょうか?

川上)感染します。大人も喉が痛いと言っていらっしゃいます。

飯田)大人の場合は症状が重くなるのですか?

川上)基本的には同じです。

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モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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