HIV感染症の曝露前予防内服「PrEP(プレップ)」のメリットとデメリット

By -  公開:  更新:

東京都医師会広報委員で国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター(ACC)病院広報管理部門長の菊池嘉氏が7月27日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。HIVの曝露前予防内服「PrEP(プレップ)」のメリットとデメリットについて語った。

HIV感染症の曝露前予防内服「PrEP(プレップ)」のメリットとデメリット

※画像はイメージです

「PrEP」のメリットとデメリット

飯田浩司アナウンサー)HIVの曝露前予防内服「PrEP」には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

菊池)メリットはもちろん、感染を防御できることです。デメリットとしては、日本では認可されていません。海外の旅行者がPrEPを使っていて、日本でも無料だと思って薬を貰おうとすると、その高い料金を見て「とんでもない」となる場合もあります。

飯田)こんなに取られるのかと。

菊池)それ以外のデメリットとしては、HIVの薬の1成分しか入っていません。また、B型肝炎に対する作用もありますので、罹ってしまった場合、それらのチェックをしなければいけません。

飯田)チェックをする必要がある。

菊池)人によっては「2錠飲んだら効くだろう」と考えて意図的に多く飲んだり、飲み間違えたりすると、腎臓機能に障害が起きやすい薬です。飲み続けている方でも「1年飲んだからもう大丈夫だろう」とは思わず、腎機能の検査はときどき行う必要があります。

新行市佳アナウンサー)「PrEP」はHIV予防薬ですが、あとから飲む薬はあるのでしょうか?

菊池)罹ってしまったら、2剤以上飲むことになります。1剤を飲んでいた場合、耐性化してしまうこともあるので、使っていたもの以外の薬を使うことになります。

HIV感染症の曝露前予防内服「PrEP(プレップ)」のメリットとデメリット

新行市佳アナウンサー、菊池嘉氏、飯田浩司アナウンサー

曝露後予防「PEP(ペップ)」

飯田)医療関係の方々などが使っている曝露後予防の薬は、どういうものですか?

菊池)医療従事者がHIV感染者に関する針刺し事故や、手術中に怪我をした場合は、HIVの薬を飲むことになっています。曝露後予防の“Post Exposure Prophylaxis”を略して「PEP(ペップ)」と言っています。

飯田)PEP。

菊池)これも労災に入るのではないかと思いますが、その感染症に罹っていないと労災認定されません。地方厚生局が判断するのですが、予防のときに飲んだものに対しては、基本的には感染していない他の病気の並びと同じです。

飯田)海外では適用されるところが多いですか?

菊池)そうだと思います。

飯田)曝露後予防「PEP」は、何日間くらい薬を飲み続けるのですか?

菊池)基本的に1ヵ月間飲み続け、1ヵ月後に検査して大丈夫であれば、そこで止めます。3ヵ月後、6ヵ月後に再びHIV検査を行い、「HIVは大丈夫でしたね」となります。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

Page top