「鼻の違和感」から想像される「いくつかの鼻の病気」

By -  公開:  更新:

東京都医師会理事で「きくの耳鼻咽喉科クリニック」院長の市川菊乃氏が9月13日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「鼻の違和感」から考えられる鼻の病気について解説した。

「鼻の違和感」から想像される「いくつかの鼻の病気」

※画像はイメージです

病気を探ることが難しい「鼻の違和感」

新行市佳アナウンサー)鼻の違和感とは、どんな状態のことを言うのでしょうか?

市川)違和感というのは、「普通ではない」というような感覚ではないですか。そう言われても、医者としては非常に捉えにくいのです。

新行)そうですよね。

市川)「鼻が詰まっているのですか? 鼻が痛いのですか? 鼻がたくさん出ますか? 色はどのような色ですか?」など、症状に合わせて病気を探っていかなくてはならない。鼻の違和感と言われると、非常に難しいのです。

新行)診断するのも難しいのですね。

アレルギー性鼻炎で1年中薬を飲まなければならない患者も

市川)「鼻が出ている」、「詰まっている」と言われた方が、こちらとしてはわかりやすいです。患者さんの表現も感じ方も、人によって違うではないですか。違和感や鼻荒れでは、アレルギー性鼻炎が最も有名ですね。

新行)アレルギー性鼻炎。

市川)そのなかでも、スギ花粉症が有名かと思います。いまはスギだけではなく、他にもヒノキなどいろいろとあります。そのようなものが1年中あるので、(調べるとすべての植物に反応していて)結局、「あなたは1年中薬を飲んでいた方がいい」という人もいます。

新行)そうなのですね。

市川)昔であれば「ハウスダストですね」などと片付けられていたかも知れませんが、いまは検査すれば原因がわかります。

「鼻の違和感」から想像される「いくつかの鼻の病気」

新行市佳アナウンサー、市川菊乃氏

粘膜がむくんでできる鼻茸

市川)あとは、鼻のなかに「鼻茸」ができることもあります。

新行)鼻茸。

市川)「片方の穴だけ詰まってしまう」というようなものです。寝ていれば通るけれど、起きていると詰まってしまうなどですね。鼻のなかにたんこぶができており、それがこぶ取り爺さんのたんこぶのようにぶらぶらするので、詰まったり詰まらなかったりするのです。粘膜がむくんでそうなるのですが、詰まるまでわかりません。

新行)粘膜がむくむ。

市川)内部を見れば小さくてもできているのがわかるけれど、耳鼻科で診察しなければわかりません。喘息やアレルギーが酷かった方が未治療でいるとなりやすいですね。

昔よりも多い上咽頭炎

市川)あとは「上咽頭炎」と言って、空気が肺に入る際にぶつかる曲がり道のところが炎症を起こす病気もあります。昔からあって、体調が悪いと酷くなります。

新行)上咽頭炎。

市川)酷いときは喉の異物感も出ます。上咽頭は体調によって炎症が酷くなったりよくなったりします。新型コロナ感染でもそこにぶつかるので、上咽頭炎はいま注目されています。1年中エアコンのある環境で暮らしているので、昔に比べると上咽頭の炎症は多くなっていると思います。

アレルギー性鼻炎の人が副鼻腔炎を起こす確率は普通の人の倍近い

新行)例えば眼科や歯科では、定期的な検診がとても大切だと言われますが、耳鼻科の場合はいかがですか?

市川)風邪を引いたあと、鼻に何か残っている感じがするけれど、「時間が経てば治るだろうからいいや」と放っておくと、炎症が治らない場合があります。鼻にある副鼻腔では、ここが炎症しても鼻の通りに関係ないので、あまり感じないのです。

新行)鼻の通りには関係がない。

市川)副鼻腔炎によって「頬が痛い」、「歯が疼く」という症状が起きることもあります。アレルギー性鼻炎を持っている人が副鼻腔炎を起こす確率は、そうでない人の倍近くあります。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

Page top