関東大震災から100年を迎えた2023年。ニッポン放送では、当時、神奈川県逗子市でこの未曾有の大災害を体験した高嶋フジさんの貴重な証言と専門家による今後の対策を通して、「“地震大国・日本”に生きる我々が大規模災害にどう向き合うべきか?」を考える『ニッポン放送報道スペシャル関東大震災から100年……111歳の証言』を5月28日(日)に放送。多くの反響が寄せられた。今年10月に高嶋フジさんがお亡くなりになり、改めて、彼女の貴重な“生の声”を伝承すべく、一部再編集して年末に『関東大震災から100年・・・112歳の証言と未来への提言』と題して放送される。
『関東大震災から100年・・・112歳の証言と未来への提言』12月31日(日)19時~20時
1923年(大正12年)9月1日午前11時58分 関東大震災が発生し、およそ10万5000人の尊い命が失われた。あの震災から今年で100年。
関東大震災を12歳の時に体験し、今年その生涯を終えるまで、様々な困難を乗り越えてきた112歳の女性の貴重な証言を繙きながら、あまり知られていなかった神奈川県沿岸部の関東大震災の被害状況などを振り返り、今後、発生する可能性がある巨大災害に対する備えなどを提言していく。
高嶋フジさん(旧姓平井フジさん)は、1911年(明治44年)8月15日生まれ。7人兄妹の長女だったフジさんは、関東大震災が発生する2カ月前に母親を亡くし、小学校に通いながら、母親代わりとして幼い兄妹の面倒を見ていた。そして9月1日11時58分、神奈川県逗子市小坪地区の自宅で2歳の弟・末吉さんと食事をしていた時、突然これまで経験したことがない大きな揺れが襲ってきた。
みるみる割れていく地面、7メートルを超える津波、フジさんは末吉さんを抱えたまま懸命に走り続け、なんとか高台のお寺の墓地に逃げることができた。しかし、救援は来ないまま、三日三晩飲まず食わずで過ごすことになった幼い2人。その後、運よく倒壊を免れた自宅に戻ったその目には、変わり果てた小坪の光景が広がっていた。
現在の震度に換算すると震度7にも相当する巨大地震。フジさんはどのようにして地震と津波の中を行き抜き、幼い弟の命を必死に守り抜いたのか。今年112歳で生涯を終えた1人の女性の証言から、巨大地震の真の姿に迫る。
またフジさんの貴重な証言をもとに、都市・社会防災を研究する東京工業大学松岡昌志教授が、関東大震災の経験から引き継がれる都市防災の今を解説。「地震大国・日本」に生きる“今”と“次”の世代に、100年前に起きた関東大震災を経験した高嶋フジさんの貴重な“生の声”を伝承していくことで、大規模災害に立ち向かう術などを考えていくきっかけになればという思いが込められている。
■番組タイトル:ニッポン放送報道スペシャル「関東大震災から100年・・・112歳の証言と未来への提言」
■放送日時:12月31日(日)19時00分~20時00分放送
■出演:
高嶋フジ(旧姓平井フジ/今年10月逝去)
平井光義(フジさんの弟・末吉さんの息子でフジさんの甥)
蟹江康光(「ジオ神奈川」代表)
蟹江由紀(「ジオ神奈川」事務局長)
松岡昌志(東京工業大学教授)
上柳昌彦(ナレーション)
那須恵理子(絵本朗読)
■構成:長谷川浩二
■技術:イメージファクトリィ石垣哲
■取材・制作:ニッポン放送 遠藤竜也 藤原高峰
※2023年5月28日に放送した特別番組を一部再編集したものとなります