外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が2月9日、ニッポン放送「小永井一歩のOK! Cozy up!」に出演。岸田総理とケニアのルト大統領の首脳会談について解説した。
日本とケニアが首脳会談、防衛力の強化を確認
岸田総理大臣は2月8日、ケニアのルト大統領と首相官邸で会談した。「自由で開かれたインド太平洋」推進に向けた連携を確認し、両政府は防衛協力強化のための文書を交わした。
小永井)習志野市の“おおや”さんから、「なぜアフリカの国と防衛協力を行うのか、理由がまったく理解できないので詳しく解説をお願いします」とご意見をいただきました。
アフリカに安定した政権ができることが日本の国益にもなる
宮家)インド太平洋地域は、インドだけを対象にしているわけではありません。日本にとって海洋ルートは生命線ですから、インド洋全体が安定しないと困るわけです。アフリカ大陸の東側は当然、インド洋ですよね。イエメンや紅海の入り口もそうですが、インド洋全体が安定するためにはインドやオーストラリアだけでなく、アフリカの国々とも協力し合わなくてはいけない。アフリカに安定した政権ができ、豊かになっていくことが、長期的には我々の利益になるのです。
小永井)安定した政権ができることが。
宮家)民主主義の国ケニアの大統領に来てもらい、「自由で開かれたインド太平洋」についてケニアと話すという状況は、一昔前では考えられませんでした。しかし、もともと「自由で開かれたインド太平洋」は、アフリカをも念頭に置いていた協力の概念なのです。今それがようやく動き始めた。そのなかには当然、防衛協力も含まれます。あの地域の安定が、インド洋全体が安定する第一歩になるのだと思います。
小永井)この地域には中国の影響力もあるので、日本がケニアやアフリカの国に対し、影響力を持つことも大事ですか?
宮家)ケニアだけでなく、アフリカの東部には他にもいろいろな国がありますが、これらも大事だと思います。
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