「オスプレイの安全性」を元航空自衛隊空将が科学的に解説

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麗澤大学特別教授で元航空自衛隊空将の織田邦男氏が2月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2023年11月に屋久島沖で墜落した輸送機オスプレイについて解説した。

横田基地日米友好祭でデモンストレーション飛行。観客に向かって機首を下げてあいさつする米空軍CV22オスプレイ=2018年9月15日午後、米軍横田基地 写真提供:産経新聞社

横田基地日米友好祭でデモンストレーション飛行。観客に向かって機首を下げてあいさつする米空軍CV22オスプレイ=2018年9月15日午後、米軍横田基地 写真提供:産経新聞社

屋久島沖のオスプレイ事故、機器故障を特定

米空軍特殊作戦司令部は2月20日の声明で、2023年11月に鹿児島県屋久島沖で墜落した輸送機オスプレイについて、機材の不具合が原因と断定した。また声明でもパイロットの操縦ミスや天候が墜落の原因ではないと明確にしており、不具合が起きた経緯の調査を急ぐ。

飯田)オスプレイの事故は機材の不具合が原因であるという声明が出ましたが、どう分析していらっしゃいますか?

織田)オスプレイは陸上自衛隊も導入していますが、アメリカの特殊作戦部隊のオスプレイとは仕様が違います。今回、墜落した原因については詳しく承知していませんが、特殊作戦に関わる仕様の部分が原因であれば、事故の原因が入ってくることはないかも知れません。しかし、共用部分の不具合であれば共有されるようになっていますので、陸上自衛隊にも情報が入ってくると思います。

飯田)そういうことも考えながら、安全性の部分を担保していく方針になりますか?

織田)そうですね。

オスプレイの10万時間当たりの事故率は他の飛行機と同等、またはそれよりも低い

飯田)今後のアメリカ空軍との連携に、何か影響は出そうですか?

織田)他の飛行機、アメリカと共通しているF15は日本も導入していますが、それと一緒だと思います。オスプレイは「危ない飛行機だ」と思われている節がありますが、報道の仕方が異常だと感じています。約10年前にオスプレイが海兵隊に入った際、日本防衛装備工業会という団体の技術者を20名くらい集め、私が団長となってアメリカへ行き、いろいろな防衛装備を見てきたことがあります。オスプレイを製造しているテキサス州アマリロまで行き、実際に見て、テストパイロットにも話を聞きました。

飯田)テストパイロットの方にも。

織田)だから(報道関係の方たちとは)温度差があります。飯田さんも「非常に危ない」と思っておられるようですが、危ないかどうかを見るには、科学的根拠がなければいけないと思います。具体的に言うと「10万時間当たりの事故率」です。オスプレイの10万時間当たりの事故率は海兵隊がアフガンに投入するまで、他の飛行機と同等、またはそれよりも低く、安全な飛行機だったのです。

日本の報道の仕方は異常 ~科学的に見れば「オスプレイは安全な飛行機」

織田)アフガンに導入されれば、戦場ですから事故率は増えてしまいます。私が話を聞いたテストパイロットは、「ヘリコプターにずっと乗っているけれど、遜色ない。非常に安全な飛行機だ」と言っていました。だから、科学的根拠を持って見なければならないと思います。

飯田)アフガンの場合は有事のため、どうしても数字としては遠い位置になってきますものね。

織田)そうですね。沖縄の普天間関連でレッテル貼りされているようなところがあり、科学的に見る必要があると思います。

経済アナリスト ジョセフ・クラフト)確かにオスプレイへの偏った情報はあると思いますが、一方で米軍からの説明、あるいは防衛省からの説明をもう少し補充して、より世論に伝わるよう説明する必要があると思います。今回もNBCの報道が先に出てしまった印象があります。その辺りのPR活動に関して、改善点はあるでしょうか?

織田)ありますね。日本と米軍を比べると、日本から見て(米軍の)説明の仕方は紋切型です。原因がわかるまではまったくノーコメントという形でした。自衛隊の場合、そういうわけにはいきません。毎日のように記者会見を行い、話せるところは積極的にオープンにするので、体質は違うと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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