米軍オスプレイ、屋久島沖で墜落 「機体の危険性はマスコミの誘導次第」辛坊治郎が指摘

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キャスターの辛坊治郎が11月30日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。鹿児島県の屋久島沖で29日、墜落したアメリカ軍のオスプレイを巡り、「機体の危険性はマスコミの誘導次第で、どうにでも受け取れてしまう」と指摘した。

(2023年11月29日の墜落機と同型機)離陸した後、回転翼の角度を変えて加速する米空軍CV22オスプレイ=2018年09月15日午後、米軍横田基地 写真提供:産経新聞社

(2023年11月29日の墜落機と同型機)離陸した後、回転翼の角度を変えて加速する米空軍CV22オスプレイ=2018年09月15日午後、米軍横田基地 写真提供:産経新聞社

アメリカ空軍横田基地所属の輸送機CV22オスプレイが29日、鹿児島県の屋久島沖で墜落した。第10管区海上保安本部は乗組員について、当初の6人から8人に訂正した。これまでに海上で見つかった男性1人の死亡が確認されている。現場周辺の海域は水深が約30メートルで、30日朝から「サイド・スキャンソナー」と呼ばれる海中の様子を音波で確認できる装置を使って、捜索にあたっている。

辛坊)オスプレイは危険なのか、危険ではないのかという根本的な疑問に関しては、どの新聞を読むかによってイメージが全く違ってくると思います。朝日、毎日あたりは、かなり危険な機体だということを前提に記事が出来上がっています。読売あたりは、事故率は他の機体とあまり変わらないか、むしろ若干低いとして、この数年間の運用実績を見る限り、そんなに危険ではないという論調です。

ただし、読み手の印象としては「あのオスプレイが…」という感覚が前提になってしまいます。ですから、オスプレイが事故を起こすと、報道の仕方が他の機体と全く違ってしまいます。

今回事故を起こしたのは、もともとV22という機種なのですが、Vの前に Cが付いているのと、Mが付いているのがあります。MV22はアメリカ海兵隊、今回墜落したCV22はアメリカ空軍がそれぞれ使用しています。実は、MV22とCV22では事故率が全く違い、今回事故を起こした空軍のCV22の事故率は海兵隊の平均値よりもだいぶ高いです。

ただし、これには理由があります。事故率というものは長く飛べば飛ぶほど、長く運用すれば運用するほど分母が大きくなりますから、ある一定の事故率に収束していくわけです。ところが、空軍のCV22は海兵隊のMV22ほど距離を飛んでいません。海兵隊はMC22を輸送機として日常的に飛ばしているので航続距離がものすごく長くなっていますが、空軍のCV22は主に特殊作戦用ですので航続距離がそれほど長くありません。つまり、空軍のCV22はちょっと事故を起こすと事故率が跳ね上がってしまうわけです。

このように、オスプレイの事故率は海兵隊の数字と空軍の数字のどちらを見せるかによって、受け取る側のイメージは全く変わってきてしまうということです。要するに、マスコミの誘導次第で、どうにでも受け取れてしまう典型的なニュースです。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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