「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
この週末、北陸新幹線の金沢~敦賀間が延伸開業しました。これに合わせて北陸地方の新幹線主要駅だけでなく、首都圏の駅弁業者でも、開業記念駅弁が製造・販売されています。今回は、首都圏と北陸の開業記念駅弁に注目してまいります。
北陸新幹線開業記念駅弁特集(第1回/全2回)
令和6(2024)年3月16日、北陸新幹線が、石川県の金沢駅から福井県の敦賀駅まで延伸開業しました。途中には小松、加賀温泉、芦原(あわら)温泉、福井、越前たけふの4駅が設けられ、東京~福井間は最速の「かがやき」号が2時間51分、終着・敦賀までは3時間8分で結びます。とくに福井県の県庁所在地・福井市周辺は、東京から乗り換えなし、2時間台で到達可能となり、新幹線開業の大きな恩恵を受けることとなりました。
この開業を記念して、横浜の崎陽軒から「北陸新幹線 福井・敦賀開業記念弁当」(1480円)が登場しました。3月16日から24日までの期間限定で予約販売の他、神奈川・東京の15の直営店舗でも販売しています。崎陽軒と福井県は、令和4(2022)年から相互協力協定を結んでおり、北陸新幹線福井・敦賀開業を一体となって盛り上げるべく、今回の開業記念弁当の開発に至ったそう。掛け紙にも北陸新幹線福井・敦賀開業のPRポスターのデザインが使われていますね。
開業に先駆けて、3月6日に行われた横浜駅弁・崎陽軒と福井県とのコラボレーションによる開業記念弁当の記者発表でも、福井県の杉本達治知事はビデオメッセージで「福井県にとっては100年に1度の誘客のチャンス」と述べ、新幹線開業効果へ大きな期待を寄せました。また、株式会社崎陽軒の野並晃代表取締役社長も、「この開業記念弁当を福井県に興味を持つきっかけにして欲しい」と呼びかけました。
【おしながき】
・白飯(いちほまれ)
・さばの醤油干し
・ボルガライス風チキンカツ ふわふわ玉子添え
・九頭竜まいたけと三浦産芽ひじきと人参と油揚げの炒め煮
・菜の花と油揚げの胡麻和え
・昔ながらのシウマイ(2個)
・筍煮
・大根の漬物
・羽二重あんころ餅
最大の特徴は、ご飯に福井が誇るブランド米「いちほまれ」が使われていること。通常の崎陽軒の弁当には、独自のブレンド米が使われていますが、「いちほまれ」は“冷めてもおいしい”ことが採用の決め手となったと言います。確かにふっくらと炊きあげられたご飯の味わいが楽しく、おかずにも、鯖街道の起点・若狭小浜の特産であるさばの醤油干し、越前市発祥のボルガライスをイメージしたチキンカツが入るなど、福井の味が満載です。
3月16日の開業当日、私も北陸新幹線「かがやき」で東京~敦賀間3時間8分の旅を楽しんでみました。とくに福井駅・敦賀駅のお祭りのような賑わいに、地元の皆さんが新幹線を待ち焦がれていた様子が伺えました。今回の開業に際し、横浜駅弁・崎陽軒では、北陸の駅弁業者5社ともコラボレーションを行っており、16日には、こちらの記念弁当も発売されました。いったい、どんな弁当が登場したのか、追ってご紹介してまいります。
この記事の画像(全7枚)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/