ビジネスのトップシーンで活躍する方や、気になる時事問題を読み解くスペシャリストを迎えてお話を伺っていく『スルミ presents トップジャム』。今日もビジネスのトップリーダーの素顔に迫りながら、いろんなトークを引き出します。
ゲストは、元衆議院議員の杉村太蔵さん。タレントやコメンテーター、資産運用アドバイザーとして多方面で活躍中です。意外なプロフィールから議員時代の武勇伝(!?)まで、いろんなエピソードが飛び出しました!
福田:元々はリモートでご出演いただくっていうことだったんですが、お忙しいなかありがとうございます。皆さんご存知だと思いますが、改めてプロフィールをご紹介させていただきます。
杉村太蔵さんは北海道出身。2005年、当時26歳という若さで衆議院選挙に当選。議員としての活動を終えた後はタレント、コメンテーター、資産運用アドバイザーとして様々なメディアに出演します。近年は新規創業支援を中心とした新しいまちづくりを提唱し、地元旭川市で飲食店や商業施設のプロデュースもされています。
石塚:杉村さんのプロフィールで一番気になってるのは、大学を終えられて清掃員のお仕事をされているときにドイツ証券の方にオファーされたっていうお話で。そんなシンデレラストーリーがあるんだと思って。本当なんですか!?
杉村:実は大学を中退して仕事がなくて、派遣された先が総理官邸の裏。党本部の隣にある地上44階建てビルの地下3階で、たまたま担当したフロアに外資の証券会社が入っていたんです。
朝から掃除してるじゃないすか。そしたらね、いかにも成功者っていう雰囲気の外国人エグゼクティブ幹部が寄ってきて「ヘイ、シャチョウシャチョウ」って言うんですよ。馬鹿にしてんのかと思いましたね。ただこっちも調子がいいですから、向こうがそう言って来たらこっちは
「会長会長」って。それで時代劇のようなコントをやるようになったりして。それがね、爆笑。
福田:それでコミュニケーションが続いていったわけですね。
杉村:それで「お前使ってやるから」と。ただ証券会社に入ったはいいんだけど、入ったら中の掃除をするようなったの。ひたすら清掃員。もう本当雑用。たとえば皆さんだったら、「資料作って」って言われたら、パワーポイントとか使って資料を作りますよね。私の場合の資料作りって違いますから。それを綺麗に印刷して、分厚いレポートをまっすぐホチキスどめするっていうのが私の仕事ですから。僕のホッチキスどめは芸術品ですよ。もう雑用の雑用。でもそんなことやってたら、かわいがっていただきましてね。今でも当時の証券会社の先輩方とお付き合いさせてもらってます。
石塚:清掃の方とお会いしたとき「こんにちは」ぐらいは言いますけど、そこまでコミュニケーションが生まれるっていうのは大蔵さんの魅力なんですかね。
杉村:だから、皆さんもあそこで働いてみたらワンチャン何があるかわかんないっすよ。
福田:やっぱり人と同じ仕事をする中でも、自分らしさをどこかに作ってくって大事なんですね。
杉村:めちゃくちゃ大事だと思うんですよ。とにかく自分が掃除終わった後はね、そのトイレで布団で寝れるっちゅうぐらいピカピカにしました。
石塚:そこから今も「薄口政治評論家」っていうポジションを作られて、それで長年やられているのもすごいなと思います。
杉村:僕ね、サンジャポ出さしてもらってもう15年ぐらい経つんですよ。2010年からだから。最初一生懸命喋ってたら、爆笑問題の太田さんがさ、「お前薄いな」って言うんですよ。一生懸命喋ってるのに。そしたら翌週から薄口政治評論家になったんです。
石塚:太田さんが名付け親!
杉村:聞いたことないじゃない。世の中には「辛口政治評論家」ってあるけど。でも、もしあのとき僕が「いや冗談じゃない。僕は元衆議院議員なんだから、きちっと対応をしてくれなきゃ困る」みたいなこと言ったら、今の僕がない。売りたい商品と売れる商品は違うんですね。今だから言えますけど、本当、太田さんに感謝ですよ。「タレント・薄口政治評論家杉村太蔵」がこんな大ヒット商品になると思わなかったし、こんなにロングセラーになると思わなかったですね。
福田:唯一無二のキャラクターじゃないですか。
杉村:今だから言えますけど、テレビで薄っぺらい人間に、軽い人間に見せるには、どうしたらいいんかっていうのは結構ね、研究したんですよ。
福田:考えていることを薄く言うってことですか。
杉村:とにかく、声を張る。声を張って声を裏返すと薄くなるんですよ。何となく軽くなる。声を張り声を裏返すと、みんな突っ込んでくれる。
福田:芸人さんたちも突っ込みやすくなる? 自信を持ってボケに行かないと、みんな突っ込めないみたいなところと多分一緒なんでしょうね。
杉村:そういう意味では、いろいろいじっていただけるようなポジションになれて本当によかったなと。
石塚:政治家に在任してるときから結構言いたいことを言われてたじゃないですか。そこから評論家になっても、そこの真意は変わってないなって思うんですけども、やっぱり何か思いがあるからなんですか。
杉村:そうですね。文書通信交通滞在費ってあるじゃないですか、問題になってた。あれって毎月100万円なのね。それを日本の国会で一番最初に世に言ったの僕ですよ
石塚:そうなんですよね。
杉村:あの発言っていうのは、「文書通信交通滞在費で毎月100万もらえるんですよ、びっくりしました」というところまでだったんですよ。「これはおかしいじゃないか」とまで言ってない。でもあれから20年のときを経て、ついに余ったら返還しなきゃいけなくなった。時間がかかったなと思うんですけど。
石塚:それでもちゃんと発言されたのが、最初は大蔵さんっていう。
杉村:「料亭行ってみたいな」っていうのも、何の悪気もなかったんですよ。政治家を揶揄してやろうとか皮肉を言ってやろうっていう気も全くなくて。当時26歳の私にとってね、政治家って言ったら、料亭ってイメージがあって。その日の夕方のニュースで安藤優子さんブチギレ。隣の木村太郎さんはさ、「日本終わっちゃったよ」って言ってましたからね。
福田:でも、それだけメディアとして取り上げたくなる言い方ができてるってすごいですよね。
杉村:私のヒット作品は、「料亭行ってみたい」一本だけですからね。それで20年、食べてますから。
石塚:実際に行かれたんですか?
杉村:赤坂の料亭組合から招待状来たんだよ、「ぜひ来てください」って。テレビで「料亭行ってみたい」なんて言う人、今までいないんじゃないかって。
それで行ったの。そこで女将さんから非常に面白いことを教わった。なんでこの料亭というものが、政財界の重鎮に愛されているか。それこそ幕末明治の志士たちは、料亭料理屋さんで密談会談やっていた。今まで料亭でいろんな歴史的な会談がありましたけれど、この料亭の中の人間から会談の内容が外に漏れたことは一度もないんです、と。
だからね京都のね、料亭なんかはそうなんですけど、入って2階のお部屋があるんですけど、それはね、階段がめちゃくちゃ急なので、1人がやっと通れるかなぐらいの狭さなんですよ。これは何かって言ったら、要するに、当時京都のみまわり組が襲ってくるかもしれない。
そのときに、階段がなだらかで広かったら、何人かでガーッと襲われるんですよ。でも狭くて急だったら1人ずつしか入れない。ちゃんとね2階から逃げれる隣の屋根とかね、ぜんぶ逃げるコースがあった。
石塚:料亭って勝手なイメージなんですけど、襖だから話が筒抜けなんじゃないかなとか思っちゃうんですよ。
杉村:僕も心配したんですけど、まず聞こえない。感激しちゃったのがトイレ。料亭のトイレは勝手に入っちゃだめだから。
石塚:許可制ですか??
杉村:なんでかわかりますか? まず、「トイレに行きたいです」と言わなきゃだめ。そしたら、女将さんとかが全部止めるの。他の部屋に「今は廊下に出ないでください」と。要するに、他のお客様とすれ違わないように。料亭で勝手にトイレ行ったらマナー違反になっちゃいますよ。
番組情報
フリーアナウンサー・福田典子が自身初のレギュラーラジオパーソナリティに挑戦!
「ビジネスの“トップ”が、ラジオで“ジャム”る(トークセッションする)番組」という意味が込められており、社会に新たな風を吹き込むビジネスシーンを紹介していきます。