あけの語りびと

備えるのは人間だけじゃない。ペットと生き延びるための防災術

By -  公開:  更新:

ニッポン放送は「防災ウィーク」として、各番組で防災について考える一週間をお送りしています。『上柳昌彦 あさぼらけ』では「震災とペット」をテーマに、震災が起きたときに必要となるペットへの備えを考えます。

※イメージ画像

※イメージ画像

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

もし今、大地震が起きたら、あなたは大切なペットを連れて避難することはできますか?災害が起きたときは、ペットと一緒に避難する「同行避難」が原則です。ただし、避難所に行っても、居住スペースには、原則としてペットを連れて入ることはできません。動物が苦手な方や、アレルギーをお持ちの方への配慮が必要だからです。そのため、ペットは避難所で決められた場所で、ケージに入れて飼育するのが一般的です。

ペットの受け入れ方や飼育場所は、避難所によって異なります。なお、盲導犬、介助犬、聴導犬などの「補助犬」は、法律に基づき一般のペットとは扱いが異なり、避難所でも受け入れの対象となります。いざというときに慌てないためにも、あらかじめ、避難所のルールを確認しておくことが大切です。

災害のときに、もう一つ大きな問題があります。激しい揺れにペットが驚いて逃げ出し、飼い主とはぐれてしまうことです。2016年の熊本地震では、熊本県と熊本市が保護・収容した「放浪状態のペット」は、犬がおよそ1100頭、猫がおよそ1400頭。そのうち、元の飼い主に戻ったのは、犬が400頭、猫はわずか11頭でした。

大きな災害では、ペットもパニックになります。一度はぐれてしまうと、飼い主に戻るのは、そう簡単ではありません。そこで2022年から、ペットショップなどの販売業者には、販売する犬や猫への「マイクロチップ」の装着が義務付けられました。すでに飼っている犬や猫については、装着は努力義務となっています。災害でペットとはぐれないためにも、こうした備えが大切です。

今年7月28日に発生した『令和8年熊本地震』から、1ヶ月が経ちました。一番堪えたのは、厳しい暑さだといいます。地震発生からの1ヶ月間で、最高気温が35℃以上を記録した「猛暑日」は、25日もありました。8月3日には、最高気温が40.3℃と「酷暑日」を記録しました。

避難生活のなか、体調を崩すのは、人間だけではありません。ペットの救護や健康相談にあたっている「熊本地震ペット救護本部」。その相談窓口を担当する、山本志穂さんにお話を伺いました。

「地震当初は、相談の電話が鳴りっぱなしでしたが、1ヶ月が経ち、やっと落ち着いてきました。避難所の中ではペットと一緒に暮らせないので、体育館の入口付近で飼っている方や、半壊した家でペットと暮らす人も多いですよ。この猛暑で人もペットもぐったりで、ペットの世話をすることが難しい場合、熊本県獣医師会の会員である動物病院で、30日間無料でお預かりしています」

ただ、ペットを預けるには、いくつかお願いがあるそうです。

「ペットの健康を維持するためにも、犬と猫には"混合ワクチン注射"。さらに犬には"犬の登録"と"狂犬病ワクチン注射"をお願いしています。ペットはケージの中で生活することが多くなるので、日頃からケージに慣れさせておいてください。また、避難所には多くの人や動物が集まりますので、興奮しないように、日頃から躾をお願いします」

この先、長期の避難生活も考えられます。そこでペットの『避妊・去勢手術』を考えておくことも大切だといいます。2016年の熊本地震では、仮設住宅に猫が増えて、住民とのトラブルが、少なからずありました。

最近は家の中で飼うケースが多く、外に出たことがないペットもいます。災害時には、パニックを起こして逃げ出し、行方不明になったり、避難先でストレスから体調を壊したりすることがあります。

ペットは大切な家族……。いざというとき、どうすれば一緒に安全に避難できるのか。この機会に、考えてみてはいかがでしょうか。

*熊本地震ペット救護本部(一般社団法人熊本県獣医師会)
https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/30/275568.html

 

Page top