ますのすしにも「あっさり」と「こってり」がある~富山駅「W7系北陸新幹線開業記念・特選ますのすし小丸」(1,300円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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開業2年目も好調と伝えられる「北陸新幹線」。
E7(W7)系新幹線が12両編成で、東京~金沢間を最速「2時間半」で結びます。
東京駅で見られる「金沢」という行先もすっかり日常の風景となりました。
東京以上に速達効果が大きいと思われるのが、大宮駅を使える埼玉、東京の城北・城西エリア。
「かがやき」なら大宮~長野間は50分台、大宮~富山間は1時間40分台で結ばれています。

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どうしてもトンネルが多い「北陸新幹線」の新規開業区間。
数少ない車窓の中で美しいなぁと思うのが、飯山駅(長野県)直前で千曲川を渡るところ。
この辺りは唱歌「ふるさと」に唄われた所でもあり、まさに日本の原風景を新幹線から望むことが出来ます。
飯山停車の「はくたか」なら、列車が減速しているので、ゆっくりと景色を見られることでしょう。
もちろん飯山駅では、発車メロディとして「ふるさと」が流れます。

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北陸新幹線のE7(W7)系は、普通車でも全席に「電源コンセント」が付いています。
ただ、携帯電話の電波が届く区間は、高崎以北ではまだ短いのが正直なところ。
既に高崎、金沢双方から工事が始まっていますが、どんどん進めて「北陸新幹線」の魅力アップに繋げてほしいものです。
ちなみにケータイつながりで、東京~富山・金沢の北陸新幹線1人利用で最安なのは「モバイルSuica特急券」の「スーパーモバトク」。
紙のきっぷの通常料金に比べて「2,000円前後」安くなり、駅弁とお茶、お酒分を捻出することが出来ます。
(JR東日本のサイトで「比較」が出来ます)

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「北陸新幹線」は”駅弁新幹線”と呼びたくなるくらい有名駅弁が多い新幹線でもあります。
髙崎「だるま弁当」、軽井沢「峠の釜めし」、上越妙高「鱈めし」・・・ときて、富山で待ち受けるのはご存知「ますのすし」。
JR富山駅構内には、中央改札前の売店や上り(東京方面)ホームの売店に「ますのすし本舗 源」の売店があります。

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駅弁の「ますのすし」の中で、北陸新幹線開業と共に誕生したのが「W7系北陸新幹線開業記念・特選ますのすし小丸」。
源の「ますのすし」には、様々なタイプがあります。

(素材のランク)
「ますのすし」→「特選ますのすし」→「伝承館ますのすし」

(容器のランク)
「小箱」→「小丸」→「一重(ココが基本)」→「二重」

「特選ますのすし」のちょっと小さいバージョンが「小丸」という訳です。

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北陸新幹線開業記念ということで、包装の側面に「W7系」が描かれているのが特徴。
北陸新幹線には「E7系」と「W7系」が使われていますが、見た目も乗った印象も違いはほとんど感じられません。
見た目で気づくのは「EASTとWESTの違い」くらい。
シンボルマークの下が「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」ならJR東日本の「E7系」、「WEST JAPAN RAILWAY COMPANY」ならJR西日本の「W7系」です。
乗って初めて気が付くのは、自動放送の「チャイム」の違い。
「E7系」は上越新幹線と共通のオリジナルチャイム、「W7系」は特急サンダーバードと共通で谷村新司さんの「北陸ロマン」が流れます。

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「ますのすし」の何がイイって、木のわっぱを開けた瞬間にフワッと漂う「木と笹とます」の入り混じった匂い。
コレが強烈に食欲をそそるんです!
食欲を必死でこらえながら笹を1枚ずつ剥いだ瞬間、パァ~ッと目の前が明るくなるサーモンピンク!!
このギャップがヤミツキになります。
望月にとっては、富山に来たら一度はやらないと気が済まない”通過儀礼”のようになっています。

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ただ・・・「ますのすしと特選ますのすしって、どう違うの?」という疑問が湧いてきた人もいるハズ。
「源」のウェブサイトでは、「特選ますのすし」についてこんな説明をしています。

「一本の鱒に少ししかない旨味が濃いとされる部位において、味・色・脂ののりなど全てクリアした身だけで作りあげました。身の柔らかさと脂ののりがひときわ感じられる逸品です。」

う~ん・・・イマイチ分からないなぁと思って「ますのすしミュージアム」の方に伺ってみました。

「そうですね、カンタンに言いますと『あっさり』か『こってり』かということです」

エッ!「ますのすし」にも「天下一品」みたいに「あっさり」と「こってり」があるの???
訊けば、食感があっさりなのが「ますのすし」、少し濃厚なこってりした食感になるのが「特選ますのすし」だそうです。
確かに、このたとえは分かりやすい!!
さすが、多くのツアーのお客さんを受け入れている「ますのすしミュージアム」の方だけあります。
「ますのすしにも、あっさりとこってりがある」・・・今日の教訓です!

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「ますのすし」のアレコレについては、近日中に「ますのすしミュージアム」の話題と共にアップ予定ですのでお楽しみに・・・。
今回は「北陸新幹線」を富山で下りて、「源」の駅弁と共に富山の鉄旅を満喫していきますよ!

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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