北海道の空の玄関「新千歳空港」。
新幹線が札幌まで通っても、空港の存在は引き続き大きいことでしょう。
札幌~空港を結ぶアクセス列車といえば、やっぱり快速「エアポート」。
札幌まで最速37分、1,070円、15分間隔で運行、Suica/PASMOなども利用可能です。
ただ「エアポート」って空港から1つ目の南千歳で、ちょっとガタガタってなりますよね?
空港からのトンネルを出てきた「エアポート」も編成をくねらせてポイントを通過。
実はコレ、お客さんの乗り換えの便を図るための措置。
空港発札幌方面行の列車は、南千歳で苫小牧・帯広方面のホームに入ります。
これで登別やトマム方面へ向かう人は、下りたホームで乗り換えが可能になります。
逆に空港行の列車は、札幌方面行のホームに入ることで、道南・道東方面から空港へ向かうお客さんが、重い荷物を持って階段を上り下りしなくて済むようになっています。
南千歳駅のホームには、乗換客向けに少し大きめの待合室があります。
そして、苫小牧・帯広方面行のホームには駅弁売場も・・・。
南千歳駅で駅弁を手がけているのは、苫小牧の駅弁屋さん「まるい弁当」です。
朝は9:00頃から販売が始まり、私の経験上は15:00頃には完売のことが多い感じ。
「まるい弁当」で食べておきたい駅弁といえば「サーモン寿司」(750円)です。
昭和47(1972)年の発売、来年で45周年を迎えるロングセラー駅弁です。
「サーモン寿司」といえば、札幌出身の漫画家・画家、故・おおば比呂司さんの温もりのある掛け紙が特徴的!
やっぱり「中の見えない」「とじ紐のある」駅弁って大好きです!!
サーモンピンクが見えちゃうより、サーモン風の色合いで「鮭捕ったど~!」という絵のほうが想像力をかき立ててくれます。
そして短い結び目のほうの紐を引っ張って、掛け紙を剥いで、蓋を外し・・・という行為の過程が旅気分をアゲてくれるんですよね。
ロングセラー駅弁というのは、良き伝統を守りながらバージョンアップを怠らない駅弁のことだと思います。
「サーモン寿司」も見た目はそれほど変わらないものの、中身は数年前にリニューアル。
現在のスモークサーモン8カン、特製のタレを塗ったスタイルになりました。
使っているのは、あの高級な「王子サーモン」!
「まるい弁当」の地元・苫小牧ならではの味です。
日本を代表するスモークサーモンの香ばしさ、味わいが「750円」で楽しめるとは有難い限り!
11/10現在、帯広方面は夏の台風被害のため、臨時特急がトマムまで運行。
トマム~新得・十勝清水・帯広間がバス代行、帯広以遠は臨時快速が接続しています。
登別、洞爺方面の函館行・特急「スーパー北斗、北斗」は通常通りです。
道南、道東方面への乗換駅となる「南千歳」。
この乗り換えで「サーモン寿司」をゲットできたら、きっと幸先のいい北海道旅のスタートとなることでしょう。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/