東京の中心部を環状に走る「山手線」。
うぐいす色の帯を巻いた電車が、朝4時台から深夜1時過ぎまでぐるぐる回り続けます。
「山手線」を魚に例えるなら「まぐろ」でしょうか。
一般に「まぐろ」は、生きるために回遊し続けなければならないと云われています。
東京の街が上手く回るには「山手線」が安定してぐるぐる回り続けることが必須。
だからこそ「山手線」の駅には他のJR線に先駆けてホームドアが設置されているんでしょうね。
「まぐろ」を思い浮かべて「山手線」を観ていたら本当に食べたくなっちゃいました。
有楽町のお隣・東京駅の改札内にある「駅弁屋 祭」は、11/9に東京駅改札内の中央通路を挟んだ反対側に移転したばかりです。
「駅弁屋 祭」にある実演厨房をのぞくと、なんと「まぐろ」駅弁を実演中!
これはもう、駅弁の神様が引き寄せたとしか言いようがない!!
ということで、今回はNRE大増の「まぐろいくら弁当」(1,250円)を衝動買い。
今年9月1日に発売されたばかりの新作で「駅弁味の陣2016」にもエントリー。
ふたを開けると、センターにはたっぷりの漬けまぐろ(ビンナガマグロ)。
保存性のためか、少しピリ辛感のある食感。
いくらの醤油漬けも酢飯のサッパリ感と相まって箸が進みます。
刻み海苔や刻み味付山葵でアクセントをつけていくと、より食欲をそそってくれます。
人気のなかった「まぐろ」の価値を一躍高めたといわれるのが「ヅケ」の技術。
保存性が高まり、需要が多くなって、だんだん高級魚にステップアップしていきました。
そして「いくら」が広く知られるようになったのは、大正から昭和にかけて缶詰が普及してから。
日本各地から魚が集まる東京だからこそ、南の「まぐろ」と北の「いくら」の共演駅弁もアリ!
築地や豊洲に関心が集まる今こそ食べたい、東京の魚駅弁です。
参考:「日本かつお・まぐろ漁業協同組合」ホームページ ; 「マルハニチロ」ホームページ
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/