一ノ関駅「南部鶏ごぼうめし」(980円)~真冬のみちのく・とりめし雪中行軍⑤【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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東北新幹線E5系

東北新幹線E5系

平成29(2017)年・とり年に因んで、北東北の「とりめし」駅弁を食べまくっているライター望月。
東北・北海道新幹線の看板列車も、鳥の名前に由来する「はやぶさ」号ですね。
最高時速320キロという速さは魅力ですが、それ以上に注目を浴びる瞬間が「盛岡駅」。
それというのも、多くの「はやぶさ」号は、東京~盛岡間で秋田新幹線「こまち」を併結しています。
このため盛岡駅では、ほぼ1時間に1回、新幹線の切り離しor連結作業が見られるんです。

秋田新幹線E6系

秋田新幹線E6系

下りの「はやぶさ」の場合、盛岡駅で4分ほど停まり、秋田行の「こまち」を分割します。
新幹線の分割作業は、在来線の列車と違って自動化されており、「こまち」は発車時刻になると、「はやぶさ」と繋がっていた連結器をスッと抜き取って、スマートに発車していきます。
程なく自動的に連結機カバーが閉じて、「いつもの新幹線顔」に戻っていくんですね。
普段は隠れている新幹線の連結器が観られる珍しい機会ということもあって、停車時間中はちびっ子たちと親御さんを中心としたギャラリーがいっぱい集まることもしばしば。
ちょっとしたヒーローショーのような雰囲気も漂う“新幹線ショー”です。

南部鶏ごぼうめし

南部鶏ごぼうめし

上り「はやぶさ」は、先に盛岡に到着して、後から来る「こまち」の到着を待ちます。
このため、盛岡では「6分」停まり、新幹線としては長めの停車時間がある列車が多いんです。
連休などの繁忙期は、この盛岡の「6分」が、実はとても貴重!
車内販売で駅弁が完売していて、購入できなかった場合、6分あれば、通常、上り「はやぶさ」が停まる11番ホーム直下にあるNRE売店「いわてのお弁当」などへ買い出しに行けるんです。

今回は、そんな盛岡駅でも販売されている「南部鶏ごぼうめし」(980円)をご紹介!

南部鶏ごぼうめし

南部鶏ごぼうめし

調整元は、一ノ関駅を拠点に駅弁を販売する「斎藤松月堂」。
中が見えない素朴な絵が描かれた掛け紙のある駅弁って大好き!
とじ紐をほどいていく瞬間が、キュンキュンします。
蓋を開けると、駅弁名にも入った鶏とごぼうに加えて、椎茸に玉子焼きも現れました。
おかずの煮物は筍の土佐煮に玉こんにゃく.
香の物は「ガリ」というのがちょっと新鮮です。

南部鶏ごぼうめし

南部鶏ごぼうめし

箸をスッと入れて口元に運ぶと、フワッと感じる大人の風味・・・。
「南部鶏ごぼうめし」は、茶飯を「山椒」風味で炊き上げているんです。
岩手県産鶏もも肉とゴボウ・椎茸を一緒に、味のハーモニーを楽しむのがお薦め。
優しい味わいの玉子焼きが、いいアクセントになっています。

掛け紙、味わい共にどこか懐かしく、ホッとさせてくれる駅弁。
思わず、東北のおばあちゃん家へ行ったような気分になれるかも!?

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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