鳥栖駅「焼売弁当」(740円)~酢醤油でいただく西のシュウマイ弁当!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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九州新幹線800系

九州新幹線800系

九州新幹線・新鳥栖駅にやってきました。
新鳥栖までは博多から1駅・13分、速達タイプの「さくら」、各駅停車の「つばめ」が停まります。
博多を出てすぐなのに、新鳥栖には11~14番まで、4つの新幹線のりばがあります。
将来、九州新幹線の長崎ルートが出来た暁には、新鳥栖で分岐するとも言われているんですね。
ちなみに、コチラの顔は、九州新幹線「800系」の比較的新しいタイプ・1000番台です。

九州新幹線800系

九州新幹線800系

九州新幹線は、平成16(2004)年に、新八代~鹿児島中央間で、先行開業しました。
この時にデビューした、普通車のみ6両編成の車両が800系です。
そして平成23(2011)年3月12日に、博多~新八代間が繋がり、山陽新幹線と直通運転を開始。
ただ、九州新幹線は全てが直通しているわけではなく、博多始発の列車もたくさんあります。
この九州内で完結する列車向けに、800系新幹線も増備され、1000番台を名乗りました。
新しいタイプは、赤いラインに曲線が使われている点に注目すると、見分けることが出来ます。

焼売弁当

焼売弁当

今は九州新幹線と長崎本線が接続している新鳥栖駅。
この新鳥栖駅の在来線乗換口付近にも、明治25(1892)年創業の老舗駅弁屋「中央軒」の立ち食いうどん屋さんがあって、駅弁も販売しています。
昔、寝台特急があった頃、鳥栖駅では長崎・熊本行だった「みずほ」(後年は「さくら・はやぶさ」)などの分割併合が行われ、停車時間の長い列車がたくさんあって、駅弁も人気を集めました。
その鳥栖の定番駅弁が、「焼売(しゃおまい)弁当」(740円)です。

焼売弁当

焼売弁当

フタを外すと、折詰の中から、彩り華やかな「かしわめし」と6個の「焼売」が現れました。
実は「中央軒」、大正2(1913)年に、日本初の鶏めし駅弁「かしわめし」を考案した駅弁屋さん。
これに昭和31(1956)年発売の「焼売」を組み合わせたのが、「焼売弁当」なんですね。
シュウマイの駅弁といいますと、関東では横浜駅弁「崎陽軒」のシウマイ弁当が有名ですが、九州では、何と言っても鳥栖駅弁「中央軒」の「焼売弁当」。
シュウマイといえば、「東の崎陽軒、西の中央軒」というのが覚え方の基本です。

焼売弁当

焼売弁当

長崎の玄関口「鳥栖」にも、長崎に負けないモノがあってもいいのではないかという思いから、長崎在住の中国人に教えを乞い、この地域ではいち早く商品化を果たしたという「中央軒」の焼売。
広東風のあっさりとした味わいが特徴です。
豚肉には、SPF豚(抗生物質を使わずに健康に育てられた豚)を使用。
野菜も無農薬栽培のものを直接仕入れており、無添加・無着色の焼売です。

焼売弁当の酢醤油

焼売弁当の酢醤油

中央軒の焼売弁当、特筆すべきは「酢醤油」でいただくということ。
よくよく調べてみたら、九州北部は中華まんを「酢醤油」で食べる土地柄なんですよね。
こういうローカル食文化に出会うと、とてもワクワク!
その意味では、焼売に酢醤油というのも納得かもしれません。

鳥栖駅にはサッカースタジアムが隣接しており、他の地域から遠征で来る人も多いハズ。
酢醤油で食べる焼売を通して、この地域の食文化をぜひ体感したいものです。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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