九州新幹線・熊本駅に入ってきたのは、山陽・九州新幹線で活躍する「N700系」。
少し青っぽく見えるのは、陶磁器の産地・九州らしい「青磁」をイメージした青白色のため。
8両編成で自由席の1~3号車は、通常の新幹線同様「3席―2席」のシート配列ですが、指定席となる4~8号車は、2席―2席のゆったりとしたシートになっています。(6号車は一部グリーン)
内装も温もりある木とシートの配色も落ち着いた雰囲気で、乗っていて落ち着く新幹線です。
九州新幹線「みずほ」であれば、博多~熊本間は最速33分。
東京から熊本へは飛行機を使う人が多いかと思いますが、熊本直行便が取れなかった場合は、便の多い福岡空港の便を使って、九州新幹線で移動する方法もアリですね。
九州新幹線の施設や熊本駅は、去年(2016年)4月の熊本地震で、被害を受けてしまいましたが、先週末(3/4)のダイヤ改正で、徐行運転も解除され、本来の速度によるダイヤに戻りました。
そんな九州新幹線の熊本駅や新八代駅で販売されている駅弁の1つに「天草大王地鶏めし」(1,200円)があります。
調製元は八代市の「頼藤商店」で、販売元は「みなみの風」です。
熊本駅では、新幹線改札内のキヨスク(ファミリーマート)、東口の土産物店で販売しています。
深緑の掛け紙には、「がんばろう熊本!」のステッカーも貼られていました。
掛け紙を外して、蓋を開けると、黒と白の鶏肉がたっぷり現れました。
しょうゆ味の刻み肉と塩ダレ味のむね肉、2つの味が楽しめる鶏めし駅弁です。
刻み肉は、ごぼうと一緒に煎り煮されており、なかなかイイ食感。
むね肉の上に黒くポツポツと光るスパイシー感も食欲をそそります。
おかずには菜の花、人参、うぐいす豆、さくら大根、椎茸が入っています。
「天草大王」とは、「熊本県養鶏農業協同組合」が推奨する“肥後五鶏”の1つです。
元々、熊本には、大きいもので背丈90センチ、体重およそ7キロという日本最大級の地鶏「天草大王」がいましたが、昭和初期に絶滅してしまいました。
この地鶏を長い歳月をかけて復元に成功したのが、今の「天草大王」です。
最近は、東京都内の熊本料理店でも味わえますが、やはりご当地でいただくのは格別ですね!
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/