さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、4月7日から公開となる『ゴースト・イン・ザ・シェル』を掘り起こします。
ようやく時代が追いついた!SFアクションの金字塔、堂々の実写映画化
1989年に士郎正宗の原作コミックが出版されて以来、世界中の熱狂的なファンを夢中にさせてきた「攻殻機動隊」。
ハリウッド実写化プロジェクトの道のりは意外と長く、スティーブン・スピルバーグとドリームワークスが「攻殻機動隊」の実写映画化権を獲得したのは、10年も近く前のこと。
いつ実写化が実現するか誰もが待ち望んでいたSFアクションの金字塔が、ついに完成しました。
近未来。対テロ捜査のエリート機関・公安9課に所属する少佐は、脳以外は全身義体捜査官。
彼女が担当するのは、最先端ロボティクス企業の研究者連続殺人事件で、彼らはただ殺されただけでなく、機密情報が詰まった脳をハッキングされた状態で発見されていた。謎のサイバーテロリストの捜査を進めるプロセスの中で、少佐は自分の脳にわずかに残された過去の記憶とつながり、彼女の隠された過去を呼び覚ます。
私は何者なのか…。
やがて彼女の存在そのものを揺るがす衝撃の展開へと発展していく…。
主人公の少佐を演じるのは、スカーレット・ヨハンソン。
過酷なトレーニングを経て繰り広げる彼女のアクションはスピード感と繊細さを併せ持ち、同時に少佐の秘められた怒りや人間性を体現しています。
そのほか、少佐の上司・荒巻大介には映画監督として世界的評価を受けるビートたけし、少佐の片腕バトー役にデンマーク出身のピルウ・アスベック、テロ事件を企てる謎めいた男クゼにマイケル・ピット、オリジナルキャラクターのオウレイ博士役でフランスの名女優ジュリエット・ビノシュと、世界各国の俳優たちが集結。
この世紀の超大作のメガホンを取ったのは、ルパート・サンダース監督。
アートスクールの学生時代から本作の実写化を自ら手がけたいという夢を持っていたサンダース監督が、原作の持つ精神性と哲学的な本質に敬意を評しつつ、サンダース版『攻殻機動隊』を成立させました。
これまで目にしてきたマンガやアニメの実写版とは、明らかに異なる趣きを放つ本作。
題材となる「攻殻機動隊」シリーズ全体から受けたインスピレーションをもとに、そのエッセンスをギュッと濃縮することで、よりシンプルでエモーショナルな作品に仕上がっています。
キャスティングはもちろん、衣装・美術・小道具、最先端テクノロジーを駆使したCG映像まで、多文化・多民族的な世界観を構築。
それによって、本シリーズが追求している性別や民族性を超越した国際的な大都市を違和感なく表現しており、その未来と過去が混在したようなテイストからは、原作の持つ世界観の“意味”を忠実に再現しているように感じずにはいられません。
この春休み、観る人を驚愕させる映画となっていることは間違いないでしょう。
ゴースト・イン・ザ・シェル
2017年4月7日から全国ロードショー
監督:ルパート・サンダース
原作: 士郎正宗「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」
出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・ピット、ピルー・アスベック、チン・ハン、ジュリエット・ビノシュほか
©MMXVI Paramount Pictures and Storyteller Distribution Co. All rights Reserved.
公式サイト:http://ghostshell.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/