万里の長城×マット・デイモンの異色作『グレートウォール』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第184回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、4月14日から公開となる『グレートウォール』を掘り起こします。

万里の長城を建設した真の目的とは…。60年に一度の“伝説の戦い”

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金と名声のためだけに世界中を旅する傭兵ウィリアムが半年にも及ぶ旅の末に辿り着いたのは、万里の長城。
そこには中国国内から集められた戦士たちが集結していた。
彼らの目的は、60年に一度現れる強靭な敵から国を、そして人類を守ること。
これまでは私利私欲のためにより強力な武器を求め戦ってきたウィリアムだったが、戦士たちの統率の取れた戦いぶりと高潔な精神に心を動かされ、自分のためでなく世界を守るために戦うことを決意する…。

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『HERO』『LOVERS』などの武侠映画から『初恋のきた道』『単騎、千里を走る。』といったヒューマンドラマまで幅広い作品を手がける中国映画の巨匠チャン・イーモウ監督が、『GODZILLA ゴジラ』『パシフィック・リム』を世に放ったレジェンダリー・ピクチャーズがタッグを組み、規格外のアクション超大作が完成しました。

タイトルにもなっている『グレートウォール』は、もちろん万里の長城のこと。
全長2万キロ、約1700年かけて作られた人類史上最大の建造物を舞台に、スペクタクルなドラマが展開します。

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キャストもハリウッドと中国、それぞれのスター俳優がズラリ。
主人公のウィリアムを演じるのは、ハリウッドを代表するスター俳優、マット・デイモン。
さらにペドロ・パスカル、ウィレム・デフォーといった実力派俳優も名を連ねています。
一方、中国からは『LOVERS』でチャン・イーモウ監督作品に出演経験のあるアンディ・ラウを筆頭に、ルハン、ジン・ティエンなど若手俳優が活躍。

そして“物語の主役”とも言うべき、万里の長城。
セットで使用したのは、石とレンガを積み重ねて隙間を土で埋め、本物の万里の長城のと同じ手法で“建設”したもの。
長城の外観には、なんと20万個ものレンガを使用したとか。
この 壮大なスケールは、圧巻です!

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昨年、国内の映画館にあるスクリーン数がアメリカの保有数を抜いて世界最多となった中国。
世界映画市場としても第2位という立場にあり、今年中には世界一になるのではないかとさえ言われています。

これまではハリウッド作品に中国人俳優を起用したり、舞台設定に中国要素を加えたり…と、中国の映画市場を意識してきたハリウッドですが、本作はガッツリ、中国人監督と俳優を起用し中国文化に触れた作品。
進撃を続ける中国映画業界の今後の動向も、気になるトコロです。

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グレートウォール
2017年4月14日から全国ロードショー
監督:チャン・イーモン
出演:マット・デイモン、ジン・ティエン、ペドロ・パスカル、ウィレム・デフォー、ルハン、アンディ・ラウ ほか
©Universal Pictures
公式サイト http://greatwall-movie.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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