5/3(水・祝)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
憲法改正は安倍晋三としての信条
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
日本国憲法施行から70年~安倍総理は2020年までの憲法改正を目標に日本国憲法は今日施行70年を迎えました。自民党総裁の安倍総理大臣は、来年の総裁選挙で参戦を果たした上でその後の憲法改正を視野に入れています。秋の臨時国会以降、憲法審査会を舞台に憲法改正の具体的項目をめぐる各党の駆け引きが激しくなる見通しです。
高嶋)今日は2020年という文字がやたら新聞に目立つわけですけども、まずニッポン放送報道部森田耕次解説委員です。
森田)去年の参議院選挙の結果、安倍政権は衆参両院でそれぞれ憲法改正案の国会発議に必要な3分の2以上の議席を占めました。安倍総理は憲法改正の論議を国会に委ねるという基本姿勢を示す一方で、一昨日超党派の議員連盟の会合に出席しまして、その中で「足元の政局、目先の政治闘争ばかりに囚われ、憲法論議がおろそかになるようなことがあってはならない」とこう述べて、国会の動きに不満を示しているのですね。
今日の読売新聞では憲法改正2020年の施行を目標にするというような総理のインタビューが出ているのですが、総理としては一昨日出た議員連盟というのは前身の議員連盟がお爺さんの岸信介元総理が20年近く会長を務めていて、今の会長の間もなく99歳の中曽根元総理からは「憲法改正を初めて真正面から取り上げた総理だ」と激励された経緯もあるのですね。それなのに今の国会は森友学園問題、それから復興大臣の辞任、組織犯罪処罰法改正案をめぐる与野党対立、こういった煽りで憲法審査会が延期されるなど議論が進んでいないという現状があります。
さらにもっと先の憲法改正のスケジュールも関係しておりまして、総理は来年9月の党総裁選で参戦を目指して2021年9月までの任期を視野に入れています。ですが来年の12月までには衆議院の解散があると見られますし、その翌年2019年の夏には参議院選も控えていますので、衆参両院で3分の2以上を占める状況をいつまでも維持できるという風には限らない。さらに国民投票というのは国政選挙と重ねてはいけないという規定は無いのですが、避けるべきだという意見も多いので総合して考えると残された時間が多くないというのがどうも安倍総理の胸の内にはあるようなのですね。高嶋)とは言ってももう再選というのは織り込み済みで、来年衆議院議員の任期が来るので当然総選挙がありますけども。
鈴木)それまでにやらなければなりませんからね。
憲法改正を強く目指す安倍総理 その強い信念と支持率が下がらない理由とは?高嶋)それで自分がまた首班として政局を担うなんてことは理の当然だと思っている。
鈴木)そうですね。本人はもうそれを込みでということですよね。
高嶋)いつ頃から安倍さんってこんなに自信満々になったのですか?
鈴木)これちょうど今お話し下さっていた森田さんと一緒に政権交代の選挙、それからその後の2014年の選挙もそうですけど、ニッポン放送で番組をやって安倍さんに直接訊いたのですよ、ここで。憲法改正をズバリ訊いた。そうしたら「これは私の政治家としての信条、信念ですから」とズバッと答えたのですよね。それが初めて確かそういうことを口にしたというので記事にもなったのですけど、僕はやっぱり安倍さんがこの2度目の総理になった、ここはなぜか。やっぱり僕はずっと言っていますけど、憲法改正だと思います。
1回目、一次政権で崩れた。本当はもうこれで安倍さんは終わりだと言われていた。でもなんでここまで2度目の総理を目指したか。やっぱり憲法改正。だからそういう意味ではアベノミクスとか経済的になんとか良くなって、それで国民の圧倒的な強い支持を受けた上で憲法改正。
その為には2期6年では足りない、じゃあ3期9年だ、そして憲法改正をやる。これは最初から描いていたスケジュールという風に見て良いと思いますね。高嶋)彼の政治家としてのライフワークというか。
鈴木)もうこれを成し遂げればということ。良い悪いの評価は別ですよ。だけどそういうものが安倍さんのスケジュールの中には最初からあったと思いますね。
高嶋)普通に考えると今衆参共に3分の2でしょう。憲法改正の発議ができる訳ですよね。
よっぽどの自信が無ければ寄り戻しが来て、それでアベノミクスだって本当に泡沫の如き勢いで消えそうな感じで(笑)。その人気というのは移ろいやすいものですから、それでも尚且つ2020年は自分が総理大臣でいて、しかも憲法改正を施行するその年になるのだなんて、これちょっと夢じゃないと言えないですよ、なかなか。鈴木)だから結局今までの流れの中で自信が付いてきているのではないかなと私は思うのですね。
安倍さんの側近とも少し話したのだけれど、やはり今世界のリーダーの中でも安倍さんは非常に長くなっているから、世界の舞台でも非常に自信を付けている。それから実はいろんな、最近でも今村大臣の辞任とか様々な政治的な危機、“森友”にしても、ある。でも支持率が落ちない。こういうものを重ねて来ている中でやっぱり「これはいける」という自信みたいなものは総理の中に生まれてきているのは間違い無いと思います。ライバルも中々出て来ないし、石破さんだって岸田さんだってもっと頑張って欲しいと思うし、野党も頑張って欲しいと思うのだけど、そういう風な中で自信を持っている。
ただ高嶋さんがおっしゃったように、一寸先は闇です。何が切っ掛けで一気に支持率が下がるかも分からない。だから自信を持ってこういう風に言っているけども、この通りになるかどうかというのは本当に分からない。
憲法改正の目的は9条の内容だけでは無い高嶋)それとひとつ踏み込んで訊きたいのですけど、憲法改正はどこをどうしようというのが目玉なのですか?
鈴木)おそらくこれまでの安倍さんの言動から見ると自衛隊、9条という風にどうしても思う。9条に絶対に手を触れたいのだろうという印象がありますよね。
高嶋)9条をどうしたいのですか?
鈴木)つまり“自衛隊”というものをしっかり明記するとか「国防軍」なんていう明記をする、そこまで安倍さんは思っている可能性がありますよね。ただ憲法改正って別に9条だけではないわけで、そのほかもいろんなことがある。
高嶋)あそこはどうなりますか。自衛隊を軍隊として認める訳でしょう。今までは国の交戦権はそれを認めないということになっていました。その辺の扱いはどうなりますか?
鈴木)だから両論併記というのも変ですけども「交戦権」というのを違う表現にして、最低限の軍事的な行為みたいなものを明記するとか、それから自衛隊ではなく国防軍という表現にするとか。
ただ今も言っているように、9条だけじゃない。ほかにもいろいろ、教育とか女性の人権とかいろんなことがあるわけですよね。そういう意味では安倍さんも、安倍さんの憲法改正というと9条しかイメージが浮かばないでしょう。だから安倍さんももう少し全体のプランというのを説明していく、主張していく、そういう風なことをやっぱりしないといけないと思いますね。高嶋)だから憲法第9条で金縛り現象というのがずっとあって、日本国民にね。特に左に行けば行くほど護憲、憲法を護れば非常に正義感溢れる良い政党なのだみたいな、一種の錯覚ですよ。そういう意味ではもうそろそろ70年で、これを今の時代に合うように変えるということは当然のことだとは思うのですけども。
それで、これからの今の東アジアだとかトランプ大統領だとかプーチンさんとか、いろんなところに向いてやっていますけども、何となくちょっと怖いなと思うようなところも見えて来るというね。この辺の恐れはどうですか?鈴木)安全保障で今実際に日本が巻き込まれている。安倍さんがいろんなことを言ってきたし外交もやってきた。だけど今の北朝鮮を含める中で、日本がどれだけ役目を果たせているか。
例えば北朝鮮のミサイル云々って言いますけども、北朝鮮を攻撃する、しないって、これはアメリカが決めることですよね。残念ながら日本というのはそれに追従しなければいけないようなポジションにある。つまり安全保障も今まで安倍さんが言ってきたものの通りには日本は中々いけていないというね。高嶋)憲法を変えておかないと大変動き辛いというところがあるわけですよね。
鈴木)だから今ひとつポイントは、要するに2020年に東京オリンピックがあるので、なんでもオリンピックムードに合わせて「これまでにやっちゃえ!」みたいなムードとか、鵬一方では例えば安全保障。今こういう危機に日本は巻き込まれている。だからほかのことをやっている暇は無いだろうとか、だから憲法改正をしなきゃいけないだろうとか、現状とかオリンピックというものを上手く利用する形で、本質的なところを強引に持って行こうと、そういう流れもちょっと見えるのですよ。だからその辺が個別の問題としてきっちり僕らは見極める必要があると思いますね。
高嶋)なるほどね。