『させて頂く』の正しい使い方と間違った使い方
文化庁が発表した『敬語の指針』では『させて頂く』は『相手側、又は第三者の許可を受けて行い、そのことで恩恵を受ける…という事実や、気持ちのある場合に使われる』とあります。
これは正しい?間違い?
『コピーを取らせて頂けますか?』
例えば、相手が持っている資料をコピーしたい時『コピーを取らせて頂けますか?』と言うのは、指針の条件を満たしていますので、大丈夫です。
『それでは発表させて頂きます』
何かの発表会で、始める前の『それでは発表させて頂きます』。
この場合『発表致します』の方が簡潔に感じられる…とあります。
『休業させて頂きます』
お店がお休みをお知らせする時の『休業させて頂きます』。
これも『休業致します』の方が良い…とあります。
『同じクラスで勉強させて頂いた者です』
結婚式の祝辞で『私は新郎と3年間、同じクラスで勉強させて頂いた者です』。
これは本来なら適切ではないそうですが、“新郎新婦を立てる場”ということを考えると、許される範囲だそうです。
『同じクラスで勉強しておりました』という言い方もありますネ。
『私は〇〇高校を卒業させて頂きました』
自己紹介の時の『私は〇〇高校を卒業させて頂きました』。
これも本来は適切ではないそうですが、例えば『私は卒業するのが困難だったところ、先生方の格別な御配慮によって、何とか卒業させて頂きました。有難うございました』といった文脈であれば、不適切だとは言えないそうです。
『させて頂く』に違和感がある場合は…
この『させて頂く』という表現ですが、使い方によっては必要なかったり、違和感を覚える方もいらっしゃいますので無理に使うことはないそうです。
その場合『致します』とか使うと良いそうです。
個人的には、よく間違いやすいのが『拝見させて頂く』です。
ダブルで謙譲語になっていますネ。
■杏樹の感想
この番組ではこれまで何度か『間違いやすい日本語』や『間違った日本語』をご紹介しました。その度に“日本語って本当に難しい”と感じます。
中には、本来は間違った日本語なのに、そちらが浸透してしまっている場合があります。
(2017/5/19放送分より)
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