出水駅「黒豚横丁」(1,080円)~鹿児島黒豚の3つの味が楽しめる駅弁【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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九州新幹線,800系,さくら

九州新幹線・800系「さくら」

鹿児島中央駅に、博多からの800系「さくら」号が入ってきました。
九州新幹線は、平成16(2004)年に新八代~鹿児島中央間で800系「つばめ」を使って先行開業し、平成23(2011)年に博多~新八代間が繋がって全線開業しました。
実はこうやって800系新幹線が鹿児島中央駅に入ってくる風景も、既に干支ひと回り以上。
鹿児島の皆さんにとっては、すっかり“日常の風景”と言ってもいいかもしれません。

黒豚横丁

黒豚横丁

そんな先行開業時代からある鹿児島中央駅の駅弁の1つが、「黒豚横丁」(1,080円)です。
2007年ごろから展開された九州新幹線の「鹿児島スイッチ」キャンペーンの頃には登場しており、当時は「鹿児島スイッチ」のロゴが入った黒い掛け紙が大きめの容器に掛けられていました。
登場から10年経った今は、時代に合わせて小ぶりになり、ギュッと美味しさが凝縮された印象。
調製元は、出水を拠点に鹿児島の駅弁を手がける昭和4(1929)年創業の「松栄軒」です。

黒豚横丁

黒豚横丁

「黒豚横丁」の特徴は、何と言っても鹿児島の黒豚が「とんこつ」「炭火焼き」「とんかつ」という3つの味で楽しめることです。
勿論、鹿児島県内で生産・肥育・出荷されたブランド肉「かごしま黒豚」が100%使われています。
「松栄軒」特製のさつま醤油で味付けした自慢の煮物に加え、ご飯も白いご飯とかしわめしの2種類が味わえるのが有難いですね。

黒豚横丁

黒豚横丁

その昔、西鹿児島駅弁の定番といえば、「とんこつ弁当」でした。
残念ながら今は無くなってしまいましたが、こういった形でも、とんこつに喰らいつくことが出来ると、豪快な感じがして、“鹿児島に来たなぁ”という気持ちになれるものです。
加えて、九州をはじめ西日本エリアは、味付けご飯の駅弁が比較的多いという印象があるので、白いご飯が食べられるのもいいアクセントですね。

N700系,800系

N700系と800系

さあ、鹿児島中央で新幹線を降りたら、在来線の旅。
JR九州は新幹線と在来線の観光列車を組み合わせることで、新たな「旅」を開拓してきました。
現在は観光列車のことを「D&S(デザイン・アンド・ストーリー)列車」と呼んで、この春に登場した「かわせみやませみ」で第11弾となるまでに成長しています。
今週は、その存在が大きく知られるきっかけとなった、鹿児島中央駅を発着するあの“真っ黒な”特急列車を追いかけていきたいと思います。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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