【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第285回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、10月7日公開の『アウトレイジ 最終章』を掘り起こします。
“世界のキタノ”の人気シリーズ、ついに完結
裏社会に生きる男たちの血で血を洗う闘争を壮絶に描いたバイオレンス・アクション、『アウトレイジ』シリーズ。前作から5年ぶり、最新作にして最終章となる今作では、闘いは日本国内にとどまらず韓国にも飛び火、国際的な抗争劇に発展します。
日本最大の暴力組織に反旗を翻す大友の運命やいかに…。
日本の二大勢力、関東山王会と関西花菱会の巨大抗争後、韓国に渡った大友。日韓を牛耳るフィクサー張会長のもと、市川ら手下を従え、済州島の歓楽街を裏で仕切っていた。そんな中、花菱会幹部の花田は取引のためにやって来た韓国でトラブルを起こし、張会長の若い衆を殺害してしまい、張会長と花菱会は緊張状態に突入。張会長の身の危険を感じる大友は会長への恩義に報いるため、また過去の抗争で殺された兄弟分の仇を取るために帰国。過去を清算するチャンスを狙っていた…。
北野武監督・主演の人気シリーズに、これまた多くの個性派俳優たちが集結。西田敏行、塩見三省、白竜、名高達男、光石研といった前作からの続投組に加え、大森南朋、ピエール瀧、岸部一徳、大杉漣、原田泰造、池内博之らが新たに参戦。コワモテの面々が揃って「コノヤロー!」「バカヤロー!」と怒号を連発し、大暴走。
これでもかと言わんばかりに顔をしかめて叫ぶ姿には、恐怖と同時に一種の可笑しみさえ感じられるのは『アウトレイジ』ならではです。ヤクザ同士が睨みを利かせる大真面目なシーンでも、緊迫感と得も言えぬシュールさが共存していて思わずニヤリ。俳優たちの個性と個性がぶつかり合う全面抗争からもまったく目が離せません。
その一方で、ルール無用の一大抗争劇を描き、1970年代にヒットした東映やくざシリーズを彷彿させる匂いも漂う本シリーズ。そういえば、『仁義なき闘い』の深作欣二監督が生前お話して下さいました。
映画は、祭りだっ!!!
『アウトレイジ 最終章』、映画ファンにとって“最高の祭り”であることは間違いありません。
アウトレイジ 最終章
2017年10月7日から全国ロードショー
監督・脚本・編集:北野武
出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、大杉漣、塩見三省、白竜、名高達男、光石研、原田泰造、池内博之、津田寛治、金田時男、中村育二、岸部一徳 ほか
©2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会
公式サイト http://outrage-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/