【ライター望月の駅弁膝栗毛】
旭川~網走間を走る特急列車「大雪」に、この日は「旭山動物園号」として人気を博してきたキハ183系の車両が入っていました。
「旭山動物園号」は、平成19(2007)年から札幌~旭川間で運行されてきた観光列車。
運行開始から10年ほどですが、この気動車が昭和56(1981)年製で老朽化しているために、来年(2018年)3月下旬での引退が発表されています。
今季も冬の旭川名物「旭川市 旭山動物園」のペンギンの散歩が12/13から始まりました。
キングペンギンが餌を取るために集団で海まで歩く習性を活かして、冬季の運動不足を解消することを兼ねて始まったというのは有名ですね。
私も数回しか観たことがありませんが、ペンギンは思いのほか人懐っこくて、傍で見ていると、ペンギンのほうから人に寄ってきて、興味深そうに口ばしでツンツンとされたこともあります。
さて、昨日は上野駅の動物園ゆかりの駅弁をご紹介しましたが、もちろん旭川駅にも動物園ゆかりの駅弁があります。
その名も「Zoo Ben グルメbox」(890円)!
「旭川駅立売商会」が製造する駅弁で、旭川駅1階にあるそば店と、日中の14時ごろまではホーム、または改札内2階の乗り換えフロアに待機している台車で販売されています。
動物の写真がたくさん載った「Zoo Ben グルメbox」の裏面は「絵はがき」!
厚紙に可愛らしい動物の写真がプリントされており、捨ててしまうには勿体なく、持ち帰るにはちょっと荷物に・・・。
ならば「絵はがき」としてポストに出せば、荷物は軽くなり、家で待つ方にも嬉しいもの。
お腹を満たして、心も満たし、旅人の心理まで読んだ秀逸な「駅弁」といえるかもしれません。
【お品書き】
・白飯
・いくらご飯
・ズワイガニちらし寿し
・山菜炊き込みご飯
・ボイル有頭えび
・信田巻(人参・いんげん・大根・かんぴょう)
・豚肉巻きんぴら
・赤魚塩焼
・焼売
・煮物(こんにゃく・椎茸・竹の子・ふき)
・大根桜漬
4種類のご飯が少しずつ食べられるのが有難い構成。
おかずも海鮮に偏ることなく、幕の内的に少量ずついただくことが出来ます。
「そろそろフツーのご飯が食べたいなぁ・・・」という時に現れてくれる嬉しい駅弁。
旭川から札幌までの90分弱、グルメboxのご飯をつまみながら、旅の思い出をサラサラッと綴れば、旭山動物園の旅は無事完結です。
この冬、札幌~旭川間には、週末を中心に「ライラック旭山動物園号」が運行されます。
これは定期特急「ライラック5号・38号」の1号車を記念撮影スペースに充てたもの。
札幌は朝8:30発、旭川は17:30発のダイヤとなっています。
また旭川ゆかりのラッピング編成には、「旭山動物園50周年」の記念ステッカーも掲示中。
しっかりと寒さ対策をして、冬の旭山動物園を楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/