板門店で南北閣僚級会談 北朝鮮のオリンピック参加表明の裏にあるものとは?

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1/10(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

透けて見える北朝鮮の思惑
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

板門店 南北会談 李善権 趙明均

板門店での南北会談を終え、北朝鮮の李善権・祖国平和統一委員会委員長(中央左)を見送る韓国の趙明均統一相=2018年1月9日(韓国取材団・共同) 写真提供:共同通信社

南北閣僚級会談が板門店で開催 北朝鮮は平昌オリンピック参加を表明

韓国と北朝鮮の南北閣僚級会談が昨日板門店(パンムンジョム)で行われ、来月の平昌(ピョンチャン)オリンピックの成功に向けて南北が積極的に協力することなどを盛り込んだ共同報道文を採択して終了した。また朝鮮半島の緊張緩和に向けて軍当局の間で会談を行うことも盛り込まれた。

昨日の午前10時過ぎから板門店で開かれた南北閣僚級の会談は何十年も続く南北協議の慣行で、まずは天気の話題から始まったということです。

北朝鮮はその直後、平昌オリンピックに高官クラスの代表団や選手団の派遣のみならず、応援団や芸術団、テコンドー演武団まで派遣する意向をあっさりと表明し、当初10人前後の派遣ではないかという観測もあった韓国側の予想を大きく上回る規模を提示したということです。また開会式の合同入場行進や共同文化行事開催についても北朝鮮側が積極的な反応を示しました。

昨夜採択された共同報道文でも緊張緩和に向け軍の当局同士の会談を開くことで合意しています。今後も高官級の南北会談を継続することになります。

ただおよそ10時間に及んだ会談の最後の協議の部分は韓国取材団に公開されたのですが、北朝鮮首席代表の李善権(リ・ソングォン)平和統一委員会委員長は、最初は友好的な挨拶でしたが、突然「核問題が今回の会談でやり取りされたという報道が出ている」と主張し「理解できない」と怒りモードになったということです。その上で「我々が持つ原爆や水爆、ICBM(大陸間弾道ミサイル)は徹底してアメリカを標的にしており、韓国や中国・ロシアは狙っていない」と強調したということです。そして核問題では「韓国は相手にしない」と演説し、アメリカしか相手にしない従来の北朝鮮の態度を鮮明にしました。

北朝鮮としては今回の会談を通じて融和ムードを演出して国際社会の包囲網に風穴を開けようという狙いが透けて見えるのですが、アメリカのトランプ政権は「表向き歓迎するものの核問題での真の進展は見込めない」と冷ややかで、日本政府もこれまで通りの圧力・強化路線を守る方針です。

今回の会談のもう一つのポイントとは?

高嶋)オリンピックに参加することについては別に異議はありません。昔の「喜び組」というか、今の「美女軍団」も連れて来て良いというようなことです。
だけど北朝鮮は何かやると必ず対価を求めて来ますよね。例えば、交通費とか宿泊費とか、あんなものも必ず持てと言ってくるそうで、何かあるとすぐにへそを曲げて駄々っ子をして自分の言い分を通すという、それの繰り返しであったわけです。
気になるのは、そういうお金の問題もそうですが、例の統一旗、いわゆる南北朝鮮の半島を模したあの旗をもし先頭に立てて入場なんていうことになると、核兵器を持っている北朝鮮と南の韓国とが一緒になってしまって、わけの分からないことになりますよね。この辺の妥協点というのはどの辺にあるのでしょうか?

鈴木)ある意味では、オリンピックのタイミングを見て北朝鮮がしたたかにこれをひとつのカードとして使っていろんなことを言って来ている、構図としてはこういうことだと思うのです。だから私も昨日の最初の北側の挨拶で「プレゼントだ」と言う、そもそも登録の締め切りすらもう終わっているのにここにきて「我々も参加させて下さい」と言うのかなと思ったら、「参加して差し上げよう」と。この辺から今回の流れの主導権を持つというのが見え見えの挨拶でしたよね。
実際のポイントは表向きに昨日話し合われて公表されていることではなくて、水面下で一体何の交渉が、どんなことが具体的におこなわれているのかということです。

高嶋)休み休みではあるけども10時間もやったその本当の話というのは何だったのかと。オリンピックだけでずっとやっているとは思えないですからね。

鈴木)いや、10時間オリンピックというのはあり得ませんから、ほとんどオープンにされていない部分でしょうけど、ここで一体何があるのか。むしろ大事なのはオリンピックの後の話ですから、オリンピックに参加する・しないがゴールではないわけですよ。その後に向けて一体どんな条件を突き付けてきたのかと。

高嶋)ここからは皆推測になるのですよね。開城(ケソン)工業団地の再開を言って来るのではないかとか。

鈴木)経済制裁の問題を緩和しろとかですよね。ただ間違い無いのは、北朝鮮に対して韓国や日本、アメリカが作ってきているある種の包囲網など北朝鮮政策に対して楔を打ち込んでいく、あるいはもっと分かりやすく言うと分断していくという、この狙いも当然入っているわけですから、ここに対して日本もかなり警戒して対応するということが大事だと思います。

安倍晋三 昭恵夫人

支援者一人一人と挨拶を交わす安倍晋三首相=2018年1月8日山口県下関市 写真提供:産経新聞社

安倍総理は平昌オリンピックに行くのか?

高嶋)安倍さんは平昌オリンピックに行くのですか?

鈴木)これはいろんな人に永田町で訊きますけど、どちらかと言うと6:4くらいで、6割くらいが「行かない」、でも4割くらいはむしろこういうときだから「行くのではないか」という感じですかね。

高嶋)アメリカはペンス副大統領が行くなんて新聞辞令で出ていますけど。

森田解説委員)そうですね。フランスもマクロン大統領が出席する方向なのですね。

高嶋)マクロンさんは完璧に行くというようなことを言っていますね。それから金正恩の妹というのも、政治局員候補と言われるあの美女も来るかもしれないというような。とにかくやってみなきゃ何も見えて来ないという、その辺が現実ですね(笑)。

鈴木)だけどやはり警戒しなければいけないのは、オリンピックに参加して平和にいくというのも良いのだけど、そこは単なる入り口であって、その先を見て行動しなければいけない。これだけで「良かった良かった」ということは絶対に無いということですよね。

高嶋)束の間の平和だけではこっちも納得できませんからね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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