あけの語りびと

大瀧詠一の愛した瑞穂町で大瀧詠一を愛し語らう人々

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それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

大瀧詠一 DEBUT AGAIN ポスター

大瀧詠一さんの「DEBUT AGAIN」ポスター

東京都西多摩郡瑞穂町……この町は、狭山茶の産地で、シクラメンの栽培でも知られています。狭山丘陵の西に位置し、南には横田基地があることから、いまも町には、元・米軍住宅が残っています。その米軍ハウスを、自宅兼スタジオにして、数多くのヒット曲を世に送り出したのが、大瀧詠一さん。2013年12月30日、突然の訃報から、4年が過ぎました。

大瀧詠一さんがこよなく愛した瑞穂町に、彼をこよなく愛する人が暮らしています。「クリキンさん!」の愛称で呼ばれる栗原勤(つとむ)さん、65歳。子供の頃から、音楽が大好きで、中学1年の時、初めて買ったレコードが、ブルーコメッツの「青い瞳」。中学では、クラスの仲間と、ロックバンドやフォークグループを結成。音楽の仕事をしたいと、立川のレコード店に就職しました。

栗原勤

一万枚のレコードを集め、大瀧詠一さんに夢中になった栗原勤さん

「当時、ドーナツ盤は330円、Lpは1,500円だったかな。給料のほとんどは、レコードにつぎ込みましたね」

いままでに集めたレコードは、洋楽・邦楽、合わせて一万枚! 自宅の庭に、プレハブでレコード部屋を建てたほどです。そんな栗原さんが、大瀧詠一さんに夢中になったのは、23歳の頃、たまたま、夜中にチューニングしていたラジオから、軽快なアメリカンポップスが流れてきました。

「『ゴー・ゴー・ナイアガラ』という深夜番組でね、ラジオ関東、いまのラジオ日本だけど、深夜3時に始まって、アメリカンポップスだけでなく、演歌、民謡、お座敷ソングまで、ありとあらゆるジャンルを聴かせてくれる面白い番組だったよ。その大瀧さんが同じ町に住んでると知って、夢中で聴いてましたね」

はっぴいえんど ポスター

「はっぴいえんど」のポスター 右下が大瀧詠一さん

大瀧詠一さんが瑞穂町に移り住んだのは、「はっぴいえんど」が解散した翌年の1973年……ここから、「君は天然色」「恋するカレン」をはじめ、太田裕美の「さらばシベリア鉄道」、松田聖子の「風立ちぬ」、森進一の「冬のリヴィエラ」、小林旭の「熱き心に」など、数々のヒット曲を生み出しました。

大瀧さんが亡くなった時、こんな偉人が、この町に住んでいたことを、もっと知ってほしいと、栗原さんは『大瀧詠一さんを語る会』を発足。いままでに40回を超える「語る会」を開催してきました。

「大瀧さんが、どうして瑞穂町に住んだのか? よく聞かれるんです。亡くなったあとに、大瀧さんのふるさとを訪ねて、思ったんです。(ああ、風景が似ている)と……、はっぴぃえんどのメンバーは、みんな都会育ちのお坊ちゃん。大瀧さんだけ、岩手県の出身。ふるさとの風景に似た瑞穂町を気に入ってくれたんじゃないかなぁ」

大瀧詠一さんを語る会 大瀧詠一 ファン

(左)『大瀧詠一さんを語る会』左から栗原さん、太田さん、前田さん/(右)前田さんと展示物

『語る会』には、栗原さんの他に、仲間のスタッフが二人います。前田哲也さんは、小学三年の時、「夢で逢えたら」を聴いて、大瀧ファンになり、数々のナイアガラグッズを集めてきました。太田美智子さんは、中学生の時、英語の先生から、「これ、いいぞ」と毎週カセットを渡され、それでファンになったとか。

『語る会』のイベントには、日本全国からファンが訪れます。先日のトークイベントには、定員70人に100人が集まりました。

「何十年もファンだったけど、話し相手がいなかったので、こういう会が出来て、うれしい……、そんな人たちが来てくれますね。大瀧さんは、ファンをとても大事にしていたから、突然亡くなって(やりきれない)という人も結構多いんです。実は私もその一人……、だから、みんなの話を聞くのが楽しくてね」

カセットテープ

たくさんのカセットテープが展示されております

映画が好きで、古地図が好きで、町歩きが好きだった大瀧詠一さん。自転車も好きで、よく町内を走っていたそうです。栗原さんの心残りは、同じ町に住みながら、本人に会えなかったこと。

「いつか町角で、ばったり会う日がくると思っていたんだけど、まさか65歳で亡くなるなんて……、早すぎますよ。え? もし、夢で逢えたら、どうするかって? そうだなぁ、その時は、こう言いたいな、あなたの音楽に出会えたこと、あなたが大切にしていたファンに出会えたことに、感謝したい、とね」

大瀧詠一の愛した瑞穂町で大瀧詠一を愛し語らう人々

コレクションの数々① たくさんの展示物は保存状態も良好

大瀧詠一の愛した瑞穂町で大瀧詠一を愛し語らう人々

コレクションの数々② ありあまる数に熱量が伝わってきます

大瀧詠一の愛した瑞穂町で大瀧詠一を愛し語らう人々

コレクションの数々③ ナイアガラのレコードがこんなに!

GO!GO!NIAGAR 大瀧詠一の世界2018

『GO!GO!NIAGAR 大瀧詠一の世界2018』

瑞穂町郷土資料館「けやき館」1階企画展示室『GO!GO!NIAGAR 大瀧詠一の世界2018』が、2月4日(日)まで開催中です。時間は、午前10時から夜9時まで。料金は無料です。

ポスター、LPレコード、大瀧さんが着ていた野球のユニフォーム、大瀧さんの手形。数々のCMソングのコーナー、深夜番組の同録テープなどなど。

また、隣接する「耕心館(こうしんかん)」では、1月26日まで、栗原さんが集めた「昭和歌謡・レコード展」を開催しています。1,038枚のドーナツ盤を、壁一面に展示。ジャケット写真を見るだけでも、懐かしくなります。

昭和歌謡 レコード展

栗原さんが集めた「昭和歌謡・レコード展」

上柳昌彦 あさぼらけ 『あけの語りびと』
2018年1月24日(水) 上柳昌彦 あさぼらけ あけの語りびと より

朗読BGM作曲・演奏 森丘ヒロキ

番組情報

上柳昌彦 あさぼらけ

月曜 5:00-6:00 火-金曜 4:30-6:00

番組HP

眠い朝、辛い朝、元気な朝、、、、それぞれの気持ちをもって朝を迎える皆さん一人一人に その日一日を10%前向きになってもらえるように心がけているトークラジオ

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