【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第354回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、2月10日から公開の『今夜、ロマンス劇場で』を掘り起こします。
モノクロ映画のヒロインと現実世界に生きる青年が出逢ったら…。とびきりロマンティックな王道ラブストーリー
映画監督を夢見る青年・健司が密かに想いを寄せているのは、通い慣れた映画館・ロマンス劇場で見つけた古いモノクロ映画のお姫様、美雪。スクリーンの中の彼女に会うために、今は誰も観なくなったその映画を毎日のように繰り返し観ていた。そんなある日、スクリーンから飛び出してモノクロ姿の美雪が健司の目の前に現れる。驚く健司を前に美雪はこう言い放った。「今日からお前は私のしもべだ」。
初めて目にする現実世界のカラフルな“色”を見ては無邪気にはしゃぐ美雪、そして彼女に“色”を教えていく健司。同じ時間を過ごすうちに、二人は次第に惹かれ合っていくが、彼女にはある秘密が…。
小説やマンガが原作の映画が数多く制作される昨今、『今夜、ロマンス劇場で』は完全オリジナルのラブストーリー。ファンタジックでロマンティック、これぞ王道と呼べる究極の一作が誕生しました。
ヒロインの美雪を演じるのは、いまや日本映画に欠かせない女優のひとり、綾瀬はるか。モノクロのお姫様から色とりどりのクラシカルな衣装に身を包んだ姿まで、綾瀬はるか史上もっとも美しいシーンの連続に、男女問わず心を奪われてしまうこと間違いなし。世間知らずでおてんばなお姫様ぶりも、愛嬌たっぷり。
そんな美雪に恋する健司には、坂口健太郎。優しくて繊細、だけどちょっぴり情けない部分もある。その広く大きな愛情で破天荒な姫を包み込む男性を情感豊かに演じています。
また健司に思いを寄せる映画会社の社長令嬢・成瀬塔子を本田翼、映画スター・俊藤龍之介を北村一輝が演じるほか、中尾明慶、石橋杏奈、柄本明、加藤剛らが夢あふれる世界の住人として魅力を放っています。
映画館を舞台にした映画だけに、映画愛があふれている本作。様々な名作映画へのオマージュが散りばめられていて、しかも個々の映画のエッセンスがうまくストーリーの中に溶け込んでいます。劇中にこんなセリフがありました。
「世の中にはたくさんの映画があるが、そのほとんどが忘れ去られてしまう」。
この映画はあなたにとって、生涯忘れられない“記憶に残る映画”になる、かも。
今夜、ロマンス劇場で
2018年2月10日から全国ロードショー
監督:武内英樹
出演:綾瀬はるか、坂口健太郎、本田翼、北村一輝、中尾明慶、石橋杏奈、西岡德馬、柄本明、加藤剛 ほか
©2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/romance-gekijo/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/