#TOKYO2020 ミッキーから「おもてなし」を考える

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【新人記者あいばゆうなの取材記】

4月16日、日本を代表する観光施設の一つである東京ディズニーリゾートから、ミッキーマウスとミニーマウス、アンバサダーの福本望さんらが都庁を訪れ、小池知事を表敬訪問しました。

知事応接室に35周年のパレード衣装でやってきたミッキーとミニー。35周年という節目に「ミッキーはいくつになるの?」と小池知事が尋ね、アンバサダーの福本さんが「フィルムデビューから90年目を迎えました」と答えると、「いいわね、歳取らなくて」と笑いを誘いました。

あいばゆうな

写真・あいばゆうな

東京ディズニーリゾートといえば、ホスピタリティー関連の本が多く出版されるなど、高いホスピタリティーで知られています。ただ私たちがディズニークオリティーだと認識している対応は、実は東京ならではのもので、他国のディズニーリゾートと比較しても、そのホスピタリティーは高く評価を受けているといいます。
相手のニーズを瞬時に察知し、それを叶える方法、結果的に同等の幸福感を得られる方法を即座に提示すること。やりとりに丁寧さはあっても厚かましさがないことなどは、どの東京ディズニーリゾートキャストにも共通していると感じます。

こういったジャパンナイズドされた細やかなホスピタリティーは、時にオリンピック招致の時に世界共通語になった「お・も・て・な・し」と訳されることも多々ありますが、私はこの2つは全く別のものだと考えています。

前者がビジネスにおける日本の得意分野なのだとすれば、「おもてなし」は、日本の精神とマナーを指していると思うからです。例えば、外国人観光客は「ホスピタリティー」には感動しても「おもてなし」には困惑するかもしれません。知り合いの日本人に日本へ行くと連絡したら、旅行計画を立てられ、タワーや名所へ案内された。チルアウトしたいだけだったのに…。こういったエピソードは、まさにこの点のギャップを表していると感じます。
訪日外国人にとって、適当に夕方から出かけたことで日本の早い終電文化を身をもって体感することになったといったサプライズがお構い無しだったとしても、案内する側にとっては「おもてなし」のマナー違反だったというわけです。

私は「おもてなし」とは、もてなす側だけでは完成しないものだと捉えています。もてなされる側もマナーや、時には忍耐力も必要です。日本のおもてなしは献身や親切というよりも、まずマナーなのです。もてなそうという気持ちを汲み、メリットデメリットではなく、有り難く頂戴することを含めて「おもてなし」と言えるのではないでしょうか。

2020年に向けて東京を訪れる外国人は増えてくると思いますが、日本企業の高い「ホスピタリティー」と日本に伝わる「おもてなし」の両方を体感してもらえればと感じます。

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