日本の『和錠』と宝箱の鍵をつなぐキーワード『ウォード錠』

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今から20年前、1998年(平成10年)、大阪の『野々上遺跡(ののうえいせき)』から鍵が発掘されました。この鍵は7世紀の飛鳥時代のモノと見られていて、これが“日本最古の鍵”とされています。この鍵は『海老錠(えびじょう)』と呼ばれるもので、エビのような形をしていることから、この名が付いたとされています。

この『海老錠』ですが、左右に開く扉の取っ手の部分に取り付けます。バネ仕掛けの構造になっていて、イメージとしては安全ピンを留めるような感じで鍵が閉まるというものです。この『海老錠』は、中国から伝わったものと考えられています。

江戸時代になると、鍵を作る専門の職人さんが登場して、『和錠(わじょう)』と呼ばれる、国産の鍵と錠前が盛んに作られるようになりました。この当時、作られたのは『ウォード錠』と呼ばれるもので鍵を差し込んで回して開けます。

漫画などに登場する“宝箱の鍵”を思い浮かべて頂けるとお分かりになるかと思いますが、それが『ウォード錠』です。現在の鍵の原型とされていて、とても歴史の古い鍵ですが、構造がシンプルなため、道具を使えば開けることが出来たり、合鍵が作りやすい・・・という特徴がありました。

この時代、一般庶民は長屋に住んでいて、錠前を掛ける習慣はなかったので、鍵を必要としたのは大切な商品や宝物を入れるための蔵がある、裕福なお店や限られた人達だったそうです。

(2018年6月6日放送分より)

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