参院選定数6増、自民の改正案参院本会議で可決~そもそも1票の格差とは何か

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月12日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。参院選の定数を増やすとした法改正の話題を中心に、1票の格差問題について解説した。

参院選定数6増、自民の改正案参院本会議で可決~そもそも1票の格差とは何か

1票の格差~地域によって国民の権利が数分の1になるということ

参議院選挙の1票の格差を是正するため、定数を6増やすなどとした自民党の公職選挙法改正案は、昨日夜の参院本会議で、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、衆院に送られた。

飯田)野党は採決に反対していて、激しく反発するなかでの可決となりました。委員会の可決のところから、かなり揉めているというか、野党の反対を押し切る形と報道されています。

鈴木)昨日の採決については置いておいて、定数や選挙制度の問題についてです。僕はいつもこの問題が出たら、「表現を変えてみましょう」と言っています。この問題がいかに、我々国民にとって大事かがわかる表現は何か。格差が3倍と言いますよね。僕は3倍とか5倍ではなく、3分の1とか5分の1としています。
つまり、住んでいる地域により、「君の国民として政治に参加できる権利は、普通の人間の3分の1しかない」ということです。「あなたが何かやりたいなら、3人集めなければ聞かないよ」です。でも、ある地域では1人の言うことをまるまる聞く。格差とは、そういうことです。そう考えると、「同じ国民なのに俺の権利は3分の1しかないのか」と腹が立ちますよね。つまり、選挙制度とは、実はそういう問題なのです。だから、本当に真剣にやらなければいけない。

参院選定数6増、自民の改正案参院本会議で可決~そもそも1票の格差とは何か

選挙制度は国民に大きく関する案件だからもっと議論すべき

鈴木)もう1つ、常にそうですがポイントは、議員は自分の身分だから、なかなか身を切ることはできない。だから、こういう選挙制度に関しては第三者をきっちり入れて議論を煮詰めていく。問題も質的にもスゴく大きいし、議論ももう少し時間をかけて、第三者みたいなものもしっかり議論に参加し、意見として聞いていく。そういう意味では、今回はトントンと進み、「党利党略だ!」という批判が出てくる。これは仕方ないことです。だから、そう考えてもう1度この問題は受け止めた方がいいと思います。

飯田)第三者、たとえば「参考人から意見を聞く」と言っても「聞く“だけ”」とか、多いですよね。これは「出てきたものを、与野党が呑むしかない」みたいに決めて第三者を入れたりできないでしょうか?

鈴木)最後は国会議員の良心というか、「議員なのだから、それくらいの自覚は持っているよね」という性善説的なものはある程度はあってほしいですね。現に、維新は「身を切る改革だ」と言って、是々非々だけど、与党に賛成するときもあるけれど、「今回は違う!」と言ってみたりしていますよね。そういう気概を期待したいです。結局言うことを聞かないから、「○○が決めたことに従え!」では「政治は何だ」となる。

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