「天敵昆虫」ナミテントウが害虫のアブラムシを食べる~いつ仕掛けるの?

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「天敵昆虫」ナミテントウが害虫のアブラムシを食べる~いつ仕掛けるの?
農研機構の日本典秀が、黒木瞳がパーソナリティの番組「あさナビ」(ニッポン放送)に出演。天敵昆虫を使った農作物の害虫駆除、その天敵昆虫を害虫に仕掛ける方法について解説した。

黒木)今週のゲストは天敵昆虫の研究をされています、農研機構の日本典秀さんです。よろしくお願いいたします。
日本さんは野菜や果物を害虫から守る、天敵昆虫の研究をされています。そこで素朴な疑問なのですが、「ナミテントウ」…50匹ほどいるかというこの天敵昆虫、1万円ぐらいするお高いものだそうですが、下手したら農薬より高いですよね?

日本)1回の値段は高いですね。農薬というのは科学的に作れますので、大量に作ってストックしておくことができます。そのため安くできますが、天敵昆虫は生き物ですからストックできない。季節に合わせて、たくさん害虫を捕まえられそうなシーズンなら、それに沿って増やして行かなくてはならない。一方で、冬などあまり使われないシーズンもあります。でも飼いつながないと無くなってしまうので、年間通して維持するとなると、コストがかかってくる。そのため、1回の値段がどうしても高くなってしまいます。

黒木)このナミテントウを放すと、どれくらい生きているものなのですか?

日本)放した個体そのものは1ヶ月くらいです。天敵昆虫のいちばんのメリットは、子供を産んでどんどん増えて行くことです。虫ですから。

黒木)そうですよね。だからいまひと月とおっしゃいましたが、その間に子供を産んで、自分たちで増えて行かないのですか?

日本)増えます。それが天敵昆虫の本当の効果ですね。放してすぐに害虫がいなくなるものではなく、ある程度長いスパンで考えて、子供を産み孫を産み、それが増えることによって更に害虫を食べてもらい、効き目がどんどん出てくる。

黒木)代々に渡って害虫を退治するということですか。でも逆にこのナミテントウを放して、そちらの方が増えるということはないのですか?

日本)エサはあくまでも害虫ですから。害虫がいなくなるとエサが無くなってしまうので、増えることが出来ない。

黒木)ごはんが無くなってしまう。

日本)そうなのですよ。

黒木)ということは、死んでしまうんだ。

日本)死んでしまいます。死ぬか、あるいはどこかに飛んで逃げてしまうかです。害虫の方も0.何ミリという、ものすごく小さい虫ですので、増えているかどうかは分からないのです。本当は害虫が出てくるより前に、天敵昆虫がいる状態を作ってやるのがいいのですが。

黒木)なるほど。そうすると怖がって害虫が来ないですものね。でもエサが無いから、今度は天敵昆虫がダメになってしまいますよね。

日本)そうなのです。だから、害虫にならない他の虫をあらかじめ入れておいてやる。それを食べてもらうのです。

黒木)そういう虫もいるのですか?

日本)そういう虫もいます。同じアブラムシに着く「寄生蜂」というものが。害虫とならない虫をハウスのなかに用意しておけば、最初からスタンバイしている状況を作り出すことができます。

「天敵昆虫」ナミテントウが害虫のアブラムシを食べる~いつ仕掛けるの?
日本典秀/農研機構・中央農業研究センター

京都大学大学院・修士課程を修了後、農業生物資源研究所などを経て、「農研機構 中央農業研究センター 生物的防除グループ」に所属。
野菜や果物につく害虫を、タバコカスミカメという「天敵昆虫」を使って防除するという新しい研究を行っている研究者。

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