足袋は『鞐(こはぜ)』の数が少ないと正座が楽になる
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以前、『靴下』のお話をさせて頂いたとき、“日本では5世紀頃、『襪(しとうず)』と呼ばれる、絹などを縫い合わせて作った布製の履物が、中国から伝わりました。この『襪』が足袋の原型とも言えるそうです…”とご紹介しました。
『襪』は親指の股の部分がなく、現在の一般の靴下と同じような形をしていて、履いた後は足首の所を紐で結んでいました。
それが後に、親指の股の部分が出来て、足袋になったとも考えられています。
江戸時代になると中国から渡ってきた“財布に付いていた爪”を応用して、現在の足袋の原型となる、足首を『鞐(こはぜ)』で留める“鞐掛け”の足袋が開発されました。
しかし、一般庶民の間では“紐で結ぶタイプの足袋”が引き続き使われていて、“鞐掛け”の足袋が広く使われるようになったのは、明治時代になってからでした。
鞐は足袋によって4枚、または5枚といったように、付いている数が違う場合があります。
鞐の数が少ないほど正座が楽で、逆に数が多いほど、立った時の姿が美しいと言われています。
また鞐の数が多くなると、足袋の高さが高くなるため、その分、肌が見えなくなります。
そのため礼装用の着物のときは、鞐の数が多い足袋が使われるそうです。
それに対して、普段着の着物のときは鞐の数が少ない足袋が使われるそうです。
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