ピアノが黒く塗られているのは、日本人が『漆』で塗装したのが発端?
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漆は、ウルシの木の樹液の分泌が活発になる6月頃、木の表面に傷をつけて、そこからにじみ出た樹液を採ります。この作業は10月頃まで続けられます。
樹液を採るのに使われるのは、樹齢10年から15年の木で、樹液を採ってしまうと枯れてしまうので、その年に伐採してしまうそうです。
その後は切り株から出た芽を育てて、新たにウルシの木として成長させて行くそうです。
漆は精製や加工をした後、主に塗料として使われますが、塗った後の漆の乾かし方が、とても大変です。
何故なら漆の場合、他の塗料のように天日干ししても乾かないからです。
漆が乾いて固まるには、適度な温度と湿度が必要です。温度が20℃~30℃、湿度が75%~85%が最も適していると言われています。
そのため『漆風呂』と呼ばれる、乾燥用の器具を使って、“漆が乾燥して固まる条件”というものを作っているそうです。
漆は“ピアノの色が黒い”ことにも関係しているそうです。ピアノはヨーロッパで誕生しましたが、ボディーの色は木目調でした。
幕末の頃、日本にもピアノが伝わって来ましたが、日本の場合、ヨーロッパと比べると湿気が多いことから、木目調のものは適さないのでは…と、ピアノを漆で黒く塗ったのではないか? と考えられています。
またヨーロッパにも漆の素晴らしさが伝わって、その美しさからピアノを漆で黒く塗るようになったそうです。
こうした経緯もあって、現在もピアノの色は黒いそうです。
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