日米外務防衛閣僚級会議の大きな2つの問題

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月17日放送)に自由民主党参議院議員の青山繁晴が出演。日米の外務防衛閣僚級会議(2プラス2)について解説した。

日米の外務防衛閣僚級会議を19日に開催

岩屋防衛大臣は4月16日、日米両政府の外務防衛閣僚級による安全保障協議委員会(2プラス2)を19日に開催すると発表した。9日に発生したF35A戦闘機の墜落事故についても意見交換する予定。

飯田)2017年の8月以来ですからおよそ2年ぶりということになりますが、このF35Aの墜落が大きなテーマになりそうですね。

日米外務防衛閣僚級会議の大きな2つの問題
米の情報開示なく、墜落したF35Aの深い議論はできない

青山)残念ながらなってしまうということです。なぜ開くかと言うと、去年の年末に日本が、防衛計画大綱…これはおよそ10年の日本の防衛のあり方を決めるものです。そこに宇宙、サイバー、それから電磁波の3つに日本が立ち遅れていて、中国をはじめ大国は力を入れている。アメリカも中国に対してかならずしも優越を保てていない分野を初めて本格的に盛り込んだ。それをガチンコで日米で協議するはずが、その直前に世界で初めてF35Aが、しかも日本で組み立てたものが墜ちてしまった。更に大きな問題があります。このF35Aは日本で組み立てたのですが、ブラックボックスとよく言いますけれど、肝心な部分は全部アメリカ製で中身を見ることもできない。情報も取れない。日本は外箱を組み立てるだけです。車だとコンピュータやエンジンの枢要なところは触ってはいけなくて、ボディだけ組み立てるようなものです。
そういう状態で墜ちたので、2プラス2を開いてもアメリカがブラックボックスを開示してくれることはあり得ない。それでは踏み込んだ話はできないですよね。

マティス氏の後任・シャナハン氏は経験のない元ボーイング社副社長

青山)2プラス2とは、日本もアメリカも2人ずつ出すという意味です。通常、外務大臣同士、あるいは防衛大臣と向こうの国防長官同士というように、分けてやるものですが、それを一緒にやりましょうということが眼目で1960年の日米安保条約の改定から始まりました。最初は日米対等ではなかったのですよ。アメリカはどこでやるにしても本体から来なくて、駐米大使や在日米軍司令官という人が出ていた。それがやっとお互い閣僚でやるという対等になったわけです。ところが今回、マティス国防長官がクビになってしまった。後任を決めて辞めるとマティスさんが言っているのに、マティスさんが正直に「大統領と意見が合わない」と言ったものだから、トランプ大統領が怒ってバサッと切ってしまった。

飯田)年末で切っちゃいましたね。

青山)そうなのですよ。その後のシャナハンさんは人柄が良いことで知られているのですが、シャナハンさんは国防長官代行のままなのですよ。やっと対等にやれるのに、向こうに大臣が居ないという考えられない事態なのです。
しかもこのシャナハンさんは誠実な人なのですが、ボーイングの副社長だった人です。軍にもいたことが無いし、国務省、つまり外務省にもいたことが無い。日本で言うと、三菱重工の副社長が突然、防衛大臣になってアメリカと丁々発止やらなきゃいけない、というようなことですから。かなり日本にとっては課題が多いですよね。

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