子育てのゴールは、自己肯定感を形成すること
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ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(3月8日放送)に、医学博士で「あきやま子どもクリニック」院長の秋山千枝子が出演し、子どもの発達障害について語った。
淵澤由樹(アシスタント):最近は「発達障害」という単語をよく耳にします。
秋山:私のクリニックには「子供相談室」があります。相談しに来る多くの方が、発達障害の子供です。発達障害の子供達は「自己肯定感」が低くなるのですね。いつも注意され怒られて、自分はダメだという気持ちになってしまいます。それを「大丈夫だよ」「うまく行くよ」と、子供に思ってもらうことから始めないといけないので、とても難しいです。
淵澤:授業中、座っていられない子供もいますね。
秋山:ずっと立ち歩いているわけではありません。例えば最初の10分間座っていられたら、そのときに「座っているね、偉いね」と褒めてあげることです。注意されずに褒められるという経験をして行けば、褒められるためにはどうすればいいのかを身に着け、適応できる力が付いて行きます。とにかく子供たちを褒めることが、いちばんの方法です。
淵澤:なるほど。今後、秋山さんが力を入れて行きたいことが、健診と健康教育ということですが。
秋山:国で定められている乳幼児健診は、1歳6ヵ月健診と3歳児検診の2回のみなのです。
淵澤:もっとあるような気がしていました。
秋山:その他の3ヵ月健診や6ヵ月健診、9ヵ月健診などは、自治体の裁量によって行われています。集団生活で明らかになることが多い発達障害は、就学時までわからない場合もあります。ですから毎年1回、20歳まで検診をやって行けば、早くアドバイスができますし、また予防的な観点から話ができるのではないかと思っています。
淵澤:そうなれば親として助かりますし、安心ですね。最後に、ラジオの前の子育て中のママやパパへ、メッセージをお願いします。
秋山:私たち小児科医は、子供達が心身ともに健康に成長することを心から願っています。子育てのゴールは、私が師と仰ぐ平岩幹男先生によると、自己肯定感を形成することだと言われています。それは子供達が、「自分にはできる力がある」「自分は守られている」と思うことだとされています。そして保護者は、子供達を信じてあげることです。子育てのゴールまで、小児科医も一緒に伴走させていただきたいと思っています。
番組情報
この番組は、子育てで日々奮闘しているママやパパ、そしておじいちゃん、おばあちゃん、ご近所さんなど、子育てに関わる皆様に、役立つ情報を提供してゆく子育て応援プログラムです。
ナビゲーター:尾木直樹 アシスタント:淵澤由樹(フリーアナウンサー)