新型コロナ経済対策で現金給付検討の日米~感染症も政治学
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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(3月18日放送)に産経新聞客員論説委員・国際医療福祉大学の山本秀也が出演。新型コロナウイルス感染拡大に対する経済政策について解説した。
休校で仕事を休んだ保護者向け助成、申請始まる
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校で仕事を休まざるを得なくなった保護者の所得を補償する、新たな助成制度の申請の受け付けが始まった。政府は、臨時休校で従業員に特別な有給休暇を取得させた企業に対して日額8330円を上限に、フリーランスは日額4100円を補償する。
森田耕次解説委員)政府は、臨時休校で従業員に特別な有給休暇を取得させた企業に対し、日額8330円を上限に助成金を支給する制度をつくっています。また、個人で業務委託を受けて働いているフリーランスの人も、子どもの世話のために仕事を休んだ場合に国から日額4100円を補償するとのことで、18日から休業補償の申請受付を厚生労働省が始めまして、6月30日まで受け付けるとのことです。詳しくは、厚生労働省のホームページに掲載しているということです。一斉休校で仕事を休まざるを得ない、この補償についてはしっかりとしなければいけませんが、企業に助成するということなのですね。
山本)建て付けが「企業に」とのことなのですよね。「個人に」直接というのは審査の問題などいろいろあったと思うのですが、困っている人にちゃんと届くものになっているかどうか、そこまできちんと見てもらいたい気がします。
個人への現金給付も検討~効果はあるのか
森田)政府与党は、4月にもつくる緊急経済対策として、国民1人ずつに現金を配る現金給付を盛り込もうということで、調整に入っているようです。リーマンショックを受けたときの景気刺激策ということで、2009年に1人あたり1万2000円という定額給付金がありました。今回はここにならってということになるのか、どれくらいになるのかはまだこれからですが、とりあえず現金給付を考えてはいるようですね。
山本)ただ、現金給付を国民1人ずつ、所得のある人もない人もということですが、ここが個人的には引っかかるのです。政策に反映させるのか、個人に直接配るのかというのは判断が難しいところではあるのですが、砂漠に水をまくようなことにならないのか心配です。もちろん本当に困っていてありがたいと思う方はいると思うので、そこまで否定する気はないのですが。
森田)麻生内閣のときには定額給付金の総額が2兆円規模になったのですが、そのときに問題だったのが、現金を使わずに貯金に回されてしまったことで、消費の下支えにつながらなかったという指摘が当時ありました。
山本)先が不安であれば消費が減るのは傾向ですから、むしろ国民が不安に感じているような物資が回ることにお金を使った方がいいというのが個人的な感想です。
アメリカも現金給付を検討~選挙も見据えた政策か
森田)アメリカのトランプ政権も1兆ドル(約107兆円)の経済対策を検討しているということですが、こちらも家庭に対する現金給付を盛り込むようですね。
山本)アメリカの場合には選挙が近いという事情があります。感染症も政治学なのですよ。
森田)確かに選挙ですからね。
山本)日本国内も選挙がどうなのかという議論が少しあるようです。
森田)しかし、107兆円という規模を聞くと、アメリカは違うなという気がします。
山本)大きな国ですからね。
森田)日本は10兆円と言われていますが、どの程度の規模になるのか。
山本)有効に使ってもらいたいですね。
番組情報
錚々たるコメンテーター陣がその日に起きたニュースを解説。佐藤優、河合雅司、野村修也、山本秀也らが日替わりで登場して、当日のニュースをわかりやすく、時には激しく伝えます。
パーソナリティは、ニッポン放送報道部解説委員の森田耕次。帰宅時の情報収集にうってつけの番組です。