【ライター望月の駅弁膝栗毛】
特急「ひたち」が発着する常磐線「いわき駅」は、かつて平(たいら)駅と呼ばれました。
現在の「いわき市」も平市・磐城市・常磐市・内郷市・勿来市をはじめとした5市4町5村が、昭和41(1966)年に合併して誕生、現在は人口33万人あまりを擁する市となっています。
特急「ひたち」も、昔の市に合わせて、勿来(一部列車)、泉、湯本、いわきと、いわき市内の多くの駅に停車し、現在は、いわき・湯本・泉の3駅で駅弁の販売があります。
(参考)いわき市ホームページ
なかでも、常磐線・泉駅は、いわき市を代表する港町・小名浜の玄関口。
泉駅からは、路線バスに揺られて15分あまりで小名浜エリアに到着します。
例年5月~6月ごろに旬を迎える、小名浜に水揚げされる「常磐もの」のカツオ。
これにちなんだ、いわき駅の新作駅弁「鰹づくし」(1000円)が、「アクアマリンパークウェアハウス(小名浜美食ホテル)」から登場しています。
【おしながき】
・ご飯
・かつおの竜田揚げ
・かつおのおろし煮
・かつおフレーク
・錦糸玉子
・煮物(人参、椎茸)
・大根しそ巻き
「アクアマリンパークウェアハウス」によると、この駅弁も「JF福島漁連」との協力駅弁。
包装を外し、蓋を開けると、ご飯の上にセンターに竜田揚げ、サイドにおろし煮、フレークが載って、まさに“鰹づくし”の駅弁です。
とくにウェットな食感のおろし煮は、なかなかご飯が進む逸品。
浜通り自慢のかつおを3つの味で楽しめる、嬉しい駅弁です。
常磐線泉駅から小名浜方面へ、一般利用者は路線バスでのアクセスとなりますが、じつは「福島臨海鉄道」という貨物専用鉄道が分岐しています。
小名浜港と共に発展してきたという福島臨海鉄道を出た貨物列車は、JR貨物と連携して、常磐線へ直通しており、沿線でもしばしば貨物列車が走る風景が見られます。
関東と東北を結ぶだけでなく、日本の物流の一角も担っている常磐線です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/