緊急事態宣言~「3月19日に発令するべきだった」理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月8日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。安倍総理が発令した緊急事態宣言について解説した。

緊急事態宣言~「3月19日に発令するべきだった」理由

【新型コロナ 上野公園の桜の花見自粛雑感】花見の宴会自粛を呼びかけている上野公園では、ロープなどが張られ、歩きながら桜を楽しむ人たちがみられた=2020年3月21日午後、東京都台東区 写真提供:産経新聞社

安倍総理が7都府県に緊急事態宣言を発令

安倍総理)改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項の規定に基づき、緊急事態宣言を発出いたします。実施すべき区域は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県の7都府県とします。

 

安倍総理は7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7都府県を対象に緊急事態宣言を発令した。期間は5月6日まで。国民に不要不急の外出自粛を要請し、「海外のような都市封鎖ではない」と冷静な対応を呼びかけた。

飯田)ゴールデンウィークを含む、5月6日までの1ヵ月間です。緊急事態宣言の発令が遅いという意見をラジオでもいただきますが、どうお考えですか?

緊急事態宣言~「3月19日に発令するべきだった」理由

緊急事態宣言を発令し会見で国民に協力を呼びかける安倍晋三首相=2020年4月7日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

遅くても3月19日には発令するべきだった~3連休で拡大した可能性が高い

高橋)この特措法が改正されたのが、3月13日ですよね。14日から施行していて、16日には東京が危ないというデータが出ています。私は14日もしくは16日、遅くても3月19日の専門家会議までに、緊急事態宣言をすべきだったと思います。

飯田)あそこでやっていれば、3連休にたくさんの人が緩んで動くということはなかった可能性が高い。

高橋)そう思います。3月19日の専門家会議でデータが出ていたのですが、私はそれを見て驚きました。データを見れば、1週間くらい先の東京都の感染者数は予測できます。もちろんブレはありますが、3月19日の1週間後、いまから考えると1週間ほど前ですが、そのときは危ない状態でした。

飯田)そこから3~4週間ずれて今回の発令となり、その間に患者数もかなり増え、医療供給が危機的状況になりつつある。いま手を打たないと危ない、というところだったのでしょうか?

高橋)先が読めているのにやらなかったのは、不思議で仕方がありません。

飯田)安倍総理も再三言っていましたが、海外のように強制的な行動制限を伴う都市封鎖は、法律としてできないということです。

高橋)法律としてできません。だから、少し前にやっても大丈夫だったのです。

飯田)なるほど。この先の話ですが、発令してすぐに患者数が下がるというよりは、少し遅れて下がって来るということになるわけですか?

高橋)効果が実際に出て来るとすれば、2~3週間後です。そこから少しずつ効果が出ます。

飯田)そうすると、当座はいままでの流れがそのまま残って、東京であれば患者数が100人単位、あるいはもっと多く出る可能性もありますか?

高橋)ありますね。当分はいままでのペースです。もちろん運、不運があるのでわかりにくいのですが、いままで通りの確率が高いので、緊急事態宣言は遅れたと思います。

飯田)こういうものは遅れるほど、感染者数が多くなってしまいます。

高橋)初動の1~2週間の差はすごく大きいです。

緊急事態宣言~「3月19日に発令するべきだった」理由

大型スクリーンで、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため協力を呼びかける小池都知事=2020年4月7日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

2週間後には1000人単位で増える可能性も

飯田)いまのペースで増え続けるとなると、2週間後には1000~2000人単位で増える可能性も否定できないのでしょうか?

高橋)増えて行く可能性もあります。運がよければ増えません。

飯田)3月の3連休が明けて、これはまずいとなって締め出したのが、今度は少しずつ効いて来る可能性があるということですか?

高橋)3連休の前にやっておくべきでした。あのとき、新学期から学校は大丈夫だということがあり、また桜が咲きました。

飯田)東京では、あのタイミングで桜が満開でした。

高橋)残念でしたね。

緊急事態宣言~「3月19日に発令するべきだった」理由

【新型コロナウイルス】原宿・竹下通りを歩くマスク姿の人たち=2020年4月1日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

経済対策108兆~国債16兆追加発行

飯田)経済への影響ですが、民間のシンクタンクなどの予測では、個人消費だけで5~6兆も飛んでしまうということです。

高橋)そうでしょうね、経済活動がありませんから。経済活動がなければ消費が飛びますよね。

飯田)これを下支えするために、108兆円の経済対策を官邸や総理含め、政府は言っていますが。

高橋)108兆円は事業費の数字です。GDPに関連するのは真水という数字ですが、それは違います。

飯田)直接GDPに効く財政出動の部分は、どのくらいの規模になっているのでしょうか。実際に政府が財政を出す部分です。人によっては10兆くらいあるのではないかと言う人もいますが、どう思いますか?

高橋)自民党のなかで検討したわけでしょう。自民党のいろいろな人に「数字を財務省に聞いてくれ」と頼んでも、言わないのです。補正予算を用意しているので、だいたいはわかるはずなのですが。よくわからないまま自民党のなかで議論が行われたのが問題だと思います。

飯田)財務省としては当然要求されるだろうと思っているから、ある程度の目安のような数字は持っているのですよね?

高橋)持っていないと、補正予算をつくれません。補正予算書を見ればわかります。ただ年度最初の補正予算は、他の経費が余ったというので財源を他から持って来ることはできないはずです。だから国債の発行額は、だいたい真水になるはずです。

飯田)報道されているところでは、全体の16兆円強と。

高橋)たぶんそうでしょう。20兆は行かないと思います。

飯田)リーマンショック後の麻生政権で出したのが、15兆4000億円くらいだったと記憶しているのですが、それに毛が生えたくらい。

高橋)同じくらいです。だから、リーマンショックのときよりも消費が落ちています。リーマンショックは海外の要因が大きかったので、内需はよかったのです。今回は内需の根幹の消費が、もろにやられているパターンです。それにしたら、みすぼらしい数字です。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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