高級「梅干し」はなぜ高い? 完成までの地道な工程や、意外な歴史を紹介

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上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送・毎週月曜・金曜 朝5時25分頃)に、梅干しプロデューサーの竹内順平さんが出演。梅干しの魅力に惹かれ、全国300種類以上の梅干しを食べ歩きながら、「にっぽんの梅干し展」や「立ち喰い梅干し屋」を企画し、梅干しの商品開発・プロデュースもする竹内さんが、梅の歴史や梅干しの作られ方、15年ものの梅干しについて紹介した。

■梅は「漢方」だった

梅は700年代に、ウバイ(烏梅)という、梅を焼いて真っ黒焦げにした漢方薬として中国から日本に入ってきました。900年代に医心方(いしんぼう)という医学書があって、その中に梅干しのすべての効能が書かれているそうです。

この700年代から900年代の200年の間に、誰かが梅を塩漬けにして、梅を干して、いまの梅干しを作ったとされています。900年頃の梅干しというのはシソが入ってなく、シソが初めて入ったというのが1700年代の江戸時代といわれています。何でシソを入れたのかは分かりませんが、梅が日本に入ってきた700年代、中国では食品をハイビスカスで赤くするブームがあったので、その手法や文化が江戸時代に入ってきて、シソで赤くしてみたのかもしれません。

■高級な梅干しは手間がかかっている

梅干しは作るのが大変な食べ物です。完熟した梅の実を樽の中で塩漬けにしておくと、梅酢がどんどん出てきます。それを2か月ぐらい寝かせ、梅雨明けした頃に天日干しをします。だいたい4日から6日ぐらい天日干しをしますが、梅を一個一個すべて手作業で並べて、さらに一個一個ひっくり返さないといけません。最初から傷がついたBランク扱いのような梅は、樽をいっぺんにひっくり返せばいいんですが、いわゆる高級品の梅は一つ一つひっくり返すので、高い梅は大変手間がかかっています。

しかも、梅ジャム、梅ジュース、梅酒といったものは冷凍した梅で作れますが、梅干しだけは冷凍した梅だとうまく作れません。だから梅が完熟する6月に合わせて仕込んで、梅雨明けに天日干しをしないと、うまくいかない食品なんです。

■日本各地の梅干し

梅干しは日本全国、沖縄から北海道までみんなが食べているものです。中でも消費量が多いランキング上位には、必ず沖縄と北海道が入ってきます。

東京ではシソ系の真っ赤な梅干しが、西側ではシソが入っていない白い梅干しや、蜂蜜を足したり昆布を足したり、味が付いた梅がたくさん見られます。沖縄だと台湾の文化が入ってきているので、甘い梅干しを食べます。沖縄の代表的なお土産に「スッパイマン」がありますが、あれも甘い味ですよね。でも、近くの鹿児島では酸っぱい梅干しを食べる文化です。北海道は思いきり酸っぱいシソ漬けの梅干しが好きです。

新潟では、しっかりと酸っぱい梅干しが主流で「藤五郎梅」、「越の梅」という2つの品種があります。ほとんどの人が知らない品種ですが、新潟の方々はおいしいことを知っていて、おいしいから地産地消して外に出さないようです。腰の梅で作った梅おにぎりが新潟のコンビニ限定で置かれていたり、地元に愛され、とても幸せな梅たちだと思います。

■15年ものの梅干しの味は?

スタジオには、竹内さんがセレクトした15年ものの梅干しを用意。和歌山県みなべ町の農家さんが、15年前の“申年”に漬けた梅干し。今はあまり知られていないが、昔は「申年の梅は病が去る」と珍重され、15年前の申年の時は3倍もの価格で売れるぐらい縁起物だった。

保存状態のいい梅干しで、その見た目を上柳アナウンサーが「つやつやして高級な和菓子を見ているようですね」と印象を語つつ、食べてみると「ああー、うまい!」と唸り、塩分がしっかりと効いた梅干しに「僕ね、塩辛いものが好きなんですよね。塩分控えめがいいとは言われますけど、これぐらいじゃなきゃ(笑)」と絶賛。竹内さんの話では、15年も経つと塩の角が取れ、まろやかになり、そこに酸味が絶妙に入って、15年ならではの味わいが楽しめるのだとか。

この梅干しプロデューサー・竹内順平さんの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHPから、いつでも聞くことが可能だ。

番組情報

食は生きる力 今朝も元気にいただきます

毎週月曜・金曜 5:25頃

番組HP

「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/

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