東京都は8月9日、新たに新型コロナウイルスの感染者が331人報告されたと発表した。累計は1万5867人。重症者は前日から2人減って23人となっている。
こうしたなか、キャスターの辛坊治郎氏は7月29日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、こうした情報・データの発表・報道についての危惧を述べている。
本当に重要なのは重症者の「内訳」
PCR検査で感染者数というのはどんどん出てきていますが、死者はほとんどいません。重症者も一定数伸びていますが、これは誰も言わないので、世界で私が初めて言うことかもしれませんが、本当に重要なのは、重症者の「内訳」なんです。基礎疾患で重症になっている人なのか、コロナで重症になっている人なのか、ということを押さえておかなければいけません。
日本では1年間に130万人以上の方が死ぬわけです。130万人の方が亡くなりますが、多くは危篤になられて、その前に重体になられますよね。他の病気で重症化したり、亡くなったりする方は1年間に130万人以上死んでいるわけだから、相当ウイルスが広がっているということを考えるならば、一定割合で感染者がいるということになったら、一定の概数で出てきますよね。日本の統計上、現状においては、他の病気で亡くなっても、その人がコロナウイルスに感染していたら、コロナウイルスの死者としてカウントされていきます。極端なことを言えば、130万人の、本当は他の理由で死んでいるのだけれども、検査をしたらPCR検査でコロナウイルスに感染していたら、それはコロナ死者としてカウントされるわけです。だから、何もなくても最大130万人は亡くなりますが、コロナという名目がついてしまう可能性があります。
基礎疾患がベースの場合をカウントしてはならない
重要なのは、東京都の重症の方(※8月9日の発表数は23人)が、純粋にコロナウイルスによって重症になられた方なのか、基礎疾患がベースになって重症になっているのかということ。年齢層が何歳くらいなのかといったあたりも本当は丁寧に報道、広報してもらわないといけない。「死者数」「重症者数」というのは大切ですが、そこで終わりではありません。これだけ市中の感染が広がってきた段階において、コロナに関係なく重症になった、あるいは亡くなったという人をコロナに感染していた人の重症者や死者としてカウントされると政策判断を誤らせることになるので、この辺りを丁寧に、行政にはちゃんと報告してほしいと思います。
いまだに死者、重症者自体もほとんど報道されなければ、発表もしないという状況のなかでは、正しい物事の判断に値するような情報というのは、我々のところに入ってきていません。特に、テレビ、ラジオ、新聞の情報の受け手の方には情報がまったく伝わっていないのではないかという危惧を日々感じます。発表データである程度わかることもありますから、その辺はこの番組では丁寧にお届けしていきます。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)