【ライター望月の駅弁膝栗毛】
春から「踊り子」として運行を始めたE257系電車が、伊豆高原駅を発車して行きます。
E257系「踊り子」は、従来の185系・251系と比べてグリーン車が1両少ない9両編成。今後は、付属の5両編成も登場することが発表されています。
いまのところ、伊豆急下田発着では東京寄りの8・9号車が自由席。
伊豆急行線内は、現在販売中の「伊豆満喫フリーきっぷ」でも自由席を利用可能です。
(参考)JR東日本横浜支社ニュースリリース・2019年11月28日分、伊豆急行ホームページほか
伊豆急行線の魅力は、天気がいいと、車窓から伊豆諸島が見えること。
8月下旬、風のない日には空気が澄んで、伊豆大島を望むことができました。
伊豆急行線の普通列車として走る8000系電車には、島のイラストと名前が記されているステッカーが窓に貼られているのが有難いところ。
片瀬白田~伊豆稲取間で案内放送が入ることも多く、ゆっくりと美しい景色が見られます。
さて、伊豆の旅では、温泉宿で豪勢な海鮮料理、駅弁も金目鯛をはじめとした魚介系の駅弁が多く見られますが、なかには海鮮は苦手……という方もいると思います。
伊豆急下田・伊豆高原などの伊豆急行線の駅で「伊豆急物産」が販売する駅弁には、一般的な商品もあり、「幕の内弁当」(1000円)もその1つ。
掛け紙には伊豆半島の地図と写真、伊豆急自慢のリゾート21が描かれていますね。
【おしながき】
・白飯 梅干し ごま
・鯖の塩焼き
・玉子焼き
・ひれかつ キャベツ
・肉団子
・煮物(椎茸、人参、ふき、油揚げ)
・ひじき煮
・桜漬け大根
掛け紙を外すと、白いご飯が半分を占める、どこか懐かしい幕の内が現れました。
幕の内最大のお楽しみ・焼き魚は、オーソドックスな鯖の塩焼き。
これにひじき煮が入ることで、伊豆らしい幕の内となっています。
駅に陳列される数も少なく、伊豆を観光で訪れる方にとっては、あまり目にすることのない駅弁かも知れませんが、「フツーのご飯」が恋しくなったときにはきっと有難い存在でしょう。
伊豆北川(ほっかわ)駅を出たハワイアンブルーの8000系電車が加速して行きます。
TVドラマや映画などの撮影がしばしば行われることでも有名な駅ですね。
北川温泉には、学生のころからときどき、波打ち際の「黒根岩風呂」に入りに来ていました。
当時は素朴な雰囲気を残した混浴でしたが、いまでは男女別風呂とのこと。
電車が世代交代していくように、温泉地もまた時代に合わせて変わっていくものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/