【ライター望月の駅弁膝栗毛】
長岡の郊外、柏崎へ抜ける峠に差し掛かろうとする、E653系電車の特急「しらゆき」。
特急「しらゆき」は、新潟~上越妙高・新井間を約2時間で結んでいます。
上越妙高では、北陸新幹線「はくたか」の金沢方面の列車と接続。
金沢・富山と新潟、さらに新潟県内の上・中・下越を結ぶ、2つの役割を持っています。
平日の昼下がり、指定席・自由席各2両ずつの車内は、ゆったりとしたものです。
長岡といえば、何といっても「花火のまち」。
毎年8月に行われる「長岡まつり大花火大会」は、全国から多くの人が詰めかけます。
残念ながら今年(2020年)は中止となりましたが、9月18日には市内の国道8号沿いに「道の駅 ながおか花火館」がオープン、「長岡花火ミュージアム」が設けられました。
土曜・休日には、長岡駅から越後交通の「路線バス」(240円)も運行されています。
「ながおか花火館」の目玉は、2階にあるドーム型の花火シアター(大人600円)。
毎年8月2日~8月3日の長岡花火を体感できると、さっそく評判を呼んでいるようです。
シアターの上映時間とタイミングが合わないときは、無料の1階展示室にある「大はなびジョン」でも、たっぷりと花火の雰囲気を楽しむことができます。
このビジョン、腕の上げ下げで花火の打ち上げ数を競う“ゲーム仕様”で、結構楽しい!
この夏は全国各地、花火大会がなくて、不完全燃焼だったという方も少なくないハズ。
花火が誇りにもなっている長岡の皆さんは、ひときわ残念な思いをされたことでしょう。
長岡駅弁「池田屋」が製造、毎年8~9月に期間限定販売している「越後長岡花火寿司」(1500円)は、この夏、「せめて、食で花火を楽しんで欲しい」と、リニューアルを決行。
駅の売店でも、「今年はおうちで花火を楽しもう!」のフレーズと共に紹介されています。
【おしながき】
・鮭ハラスの花びらずし
・いくらとさけそぼろの鮮やか合わせずし
・とりそぼろ彩りずし
・赤カブと菊花ずし
・しば漬け
「花火寿司をもっと美しく!」をコンセプトにリニューアルされた「越後長岡花火寿司」。
とくに華やかなのは、脂がのった鮭ハラスが使われた花びらずしと、繊細な盛り付けが、花火同様に心を打つ、赤かぶと菊花ずしです。
人気の「いくらとさけそぼろの鮮やか合わせずし」はそのまま、牛ずしは鶏そぼろずしに。
新潟の食文化を活かしつつ、彩りにもこだわった、より満足度の高い駅弁になりました。
今シーズンの「越後長岡花火寿司」の販売は、9月30日まで。
長岡駅の売店は現在、在来線改札前のみの縮小営業(11時~15時)となっています。
駅弁購入時は「池田屋」への予約がお薦めです。(夕方時間帯なども応相談とのこと)
一方、長岡花火が描かれた上越新幹線の観光列車「現美新幹線」は12月引退予定。
まだ、“夏をあきらめきれない”アナタ、長岡訪問はお早めに!
(参考)JR東日本新潟支社ニュースリリース・2020年7月27日分
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/