砂場研究家Codama~日本と海外の砂場の違い
公開: 更新:
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に砂場とあそびの研究所・砂場研究家のCodama(こだま)が出演。日本の公園から砂場が減っている背景について語った。
黒木)今週のゲストは砂場とあそびの研究所・砂場研究家のCodama(こだま)さんです。日本では砂場が減って来ているそうですが。
Codama)1993年の都市公園法の改正で、それまでは公園には必ず砂場を置かなければいけないという法律でしたが、それがなくなり、砂場は設置しなくてもいいということになりました。そして、1995年には、幼稚園の設置基準からも砂場は任意になってしまい、どんどん砂場が減って行っていると言われています。2015年の国交省の調べで、日本の砂場の数が6万2275ヵ所という発表がありましたが、それ以前の統計が出ていないので、どのくらい減ったかは明確に言えません。昔は都市公園には砂場を必ず設置しなければいけないと言われていたことから、半分くらいの数に減ってしまっていると推測されます。
黒木)なぜ法律が改正されたのでしょうか?
Codama)何区画のお家が建っているところには、どれくらいの広さの公園をつくらなければいけないということが法律で決められています。日本は土地が少ないので、公園のなかに必ず砂場を置かなければならないとなると、遊具が置けなくなることがあります。そうなると公園の数が増えないので、置かなければいけないという法律ではなくなったと聞いています。
黒木)海外でも同じような法律があるのですか?
Codama)日本では条例で砂場の大きさ、深さなどに関してはきちんと決められていますが、砂場に入れる砂に関しては厳密に決められていません。海外では、砂場に入れる砂の種類についても、法律で決められているところが多くあります。日本の砂場には、砂ではなく少し粒子の荒い礫というものが入ってしまっていて、固くなって、裸足では痛くて遊びづらいという現象が起きています。
黒木)砂と礫を持って来ていただいているのですが、白とか黄色のものは何ですか?
Codama)これはオーストラリアの海砂でホワイトサンドです。サンゴ礁の影響で砂浜の砂が真っ白です。お塩みたいですが、砂の一種です。こちらの砂はベトナムの海砂でさらさらで、オリンピック予定地のビーチバレー会場の砂に選ばれているくらいに上質な砂です。世界各国で海の砂とか川の砂で性質が違います。これは日本の大阪の淀川の川砂です。このように日本にも上質な砂がたくさんあるので、もっと砂場に質のいい砂が入って欲しいと思います。
砂場とあそびの研究所・砂場研究家/Codama(こだま)
■砂場遊びの研究と環境改善に取り組む「砂場研究家」。
■2017年、当時勤務していた医療法人が保育園を開設することになり、園庭の砂場づくりを担当したのをきっかけに「砂場」に関心を示し、どんな砂場をつくるといいのかを徹底的に勉強。
■2019年1月、ZOZO創業者・前澤友作氏のツイッター企画「#月に行くならお年玉」に応募。当選して得た100万円で欧州視察など砂場と砂の研究費用に充てた。
■それを機に会社を退職。フリーランスの砂場研究家としての活動を開始。
■砂場遊びやどろだんごを通じて、子どもたちが土にふれる必要性を伝えるワークショップや講演会を開催。
■幼稚園・保育園・公園での砂場づくりのアドバイスをする他、顕微鏡を持ち歩き、各地の砂場のつくりや砂の成分を研究・発信している。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳