【ライター望月の駅弁膝栗毛】
仙台から東北新幹線で北へ1駅、古川で接続する陸羽東線。
東北本線の小牛田(こごた)を起点に、宮城から山形へ入って、奥羽本線(山形新幹線)の新庄まで、オリジナル塗色のキハ110系気動車が活躍しています。
伊達氏が仙台へやって来る前の拠点だった岩出山や、日本有数の温泉地・鳴子温泉郷への観光の足としても重宝な路線です。
秋の陸羽東線、最大のビューポイントは、何と言っても鳴子峡。
鳴子温泉から次の中山平温泉にかけて、トンネルの間からほんの一瞬、その美しい峡谷、とくに秋は、木々が色づいた美しい景色を楽しむことができます。
数年おきに訪れてはいるものの、なかなか紅葉の見頃とタイミングが合わないのが残念。
でも、いつかは燃えるような赤と鮮やかな黄色に染まった鳴子峡を楽しみたいものです。
さて、仙台から伊達氏ゆかりの路線を訪ねるなら、お供は「伊達武将隊弁当」(1100円)!
「伊達武将隊」は平成22(2010)年、仙台・宮城伊達な旅キャンペーンの一環として、仙台市の観光PR集団として結成されました。
この伊達武将隊にちなんで、仙台・宮城の名物を詰め込み、仙台駅弁「こばやし」が製造している駅弁で、「伊達武将隊」のしおりも同封されています。
【おしながき】
・はらこめし(いくら・銀鮭煮、宮城県産環境保全米ひとめぼれ使用)
・三陸産サンマの竜田揚げ
・味噌仕立て牛たん焼き
・白石温麺カルパッチョ
・仙台名産 笹かまぼこ
・牛肉甘辛煮
・鶏照焼き
・炊き合わせ(がんも煮・筍煮・人参煮・絹さや)
・彩り根菜のきんぴら
・厚焼玉子
コチラの駅弁も、メインは「はらこめし」。
仙台名物・笹かまぼこはそのまま、牛たんは味噌仕立てにアレンジされています。
三陸産のサンマは竜田揚げに、片倉小十郎ゆかりの白石名物・温麺(うーめん)はカルパッチョと、ひと工夫された存在感あるおかずとなっています。
伊達藩62万石の恵みを存分に満喫できる、食べ応えのある駅弁です。
仙台から陸羽東線方面への観光列車だった快速「リゾートみのり」は、この夏に引退。
代わって、ほぼ同じダイヤで仙台~新庄間で週末を中心に運行されているのが、ラッピングが施されたキハ110系気動車の快速「湯けむり」です。
下りは仙台9:13発、上りは新庄15:01発で、一部座席は指定席となっています。
鳴子の温泉で癒されながら、駅弁と共にのんびりと過ごしたい陸羽東線の旅です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/