【ライター望月の駅弁膝栗毛】
赤や黄色に色づいた板谷峠への峠道を登って行く山形新幹線「つばさ」号。
2019年で開業120年を迎えた奥羽本線・福島~米沢間には、数々のスイッチバック駅がありましたが、いまは明治に開かれた道を、平成生まれの新幹線電車が軽快に走ります。
E3系新幹線電車の塗色は、“カラフルな山肌にも負けまい”と存在感を示すかのよう。
イロイロな色が、五目混ぜご飯のように入り混じった“秋どまん中”の板谷峠越えです。
“どまんなか”と言えば山形米のブランドの1つで、板谷峠の麓、山形・米沢の名物駅弁、「新杵屋」が製造する「牛肉どまん中」がおなじみです。
この“どまん中シリーズ”の新顔、今年(2020年)1月に京王百貨店新宿店の駅弁大会で登場した「ビビンバ牛肉どまん中」(1500円)を、米沢駅前の本社工場直売店で購入。
つくりたての温もりを感じながらいただきました。
【おしながき】
・ご飯(山形県産どまんなか)
・牛焼肉(国産牛) 糸切唐辛子
・牛肉煮(国産牛)
・ビビンバ(大豆もやしほか)
・山くらげ醤油漬け
・蒲鉾
・玉子焼き
・煮物(里芋、人参)
・にしん昆布巻き
・桜漬け大根
ふたを開けると、糸唐辛子の赤い彩りが入って冷めても柔らかく焼き上げられた牛焼肉に、ビビンバ風の豆もやしが目を引きます。
じつはこの下にいつもの牛肉煮もしっかり載っていて、肉の味わいを引き立てる白飯と、牛肉を一緒にバランスよく食べられるように配慮した“どまん中イズム”は健在。
色や素材の味を楽しんだら、ビビンバらしく、混ぜ混ぜしていただくのもよさそうです。
開催中の「駅弁味の陣2020」にもエントリーしている、「ビビンバ牛肉どまん中」。
東京駅「駅弁屋 祭」などでも販売がありますが、米沢は「米沢八湯」と呼ばれる温泉地。
山形新幹線「つばさ」にサッと飛び乗って2時間、米沢へGo To するのもアリでしょう。
「新杵屋」の直売店も、Go To トラベルキャンペーンの地域共通クーポン(紙)に対応。
晩秋の米沢でいいお湯に温まって、現地で“どまん中”を味わってみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/