“難病”のサインを見逃さないで! 血管の病気「高安動脈炎」「巨細胞性動脈炎」とは

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12月24日(木)、東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座准教授 杉原毅彦氏が、ニッポン放送のラジオ特別番組「第46回ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」にゲスト出演し、難病といわれる血管の病気「高安動脈炎(たかやす どうみゃくえん)」「巨細胞性動脈炎」について紹介。病名すらあまり知られていないこの病気を1人でも多くの人に知ってもらう為、代表的な症状や治療方法、どこに受診したらよいのかを説明した。

難病情報センターによると、「高安動脈炎」の患者は日本全国で約6,000人。その9割が女性で10~30歳代で発症することが多い。「巨細胞性動脈炎」は全国で約700人で高齢者に多く、50歳以上で発症するとされている。

■高安動脈炎、巨細胞性動脈炎はどんな病気か?

「高安動脈炎」「巨細胞性動脈炎」は血管に炎症が起こる「血管炎」といわれる病気の仲間です。高安動脈炎は眼科の高安先生が発見した病気で、目の血管に炎症が起こる特徴があります。それ以外にも大動脈などの大きな太い血管に炎症が生じ、その血管が細く狭くなったり、逆に広くなったりして、脳や心臓、腎臓といった臓器に障害を与えてしまう病気です。どちらの病気も原因は分かっていませんが、免疫の異常が関わっていると考えられています。

■風邪に似た症状から始まることが多い

高安動脈炎、巨細胞性動脈炎の共通する最初の症状として、発熱、頭痛、全身がだるい、食欲が低下など、風邪に似た症状から始まることが多いです。

しかし、風邪薬を飲んでいても熱がずっと続き、長く診断がつかないことも珍しくありません。適切な治療が行われない状態が長く続くと、炎症によって血管が細くなったり、あるいは広くなったり、障害が起きた場所によってさまざまな症状が出ます。

・脳に行く血管に障害が出ると……めまい、立ちくらみ、失神、ひどくなると脳梗塞になる危険があります。
・眼に行く血管に障害が出ると……視力の低下や、失明する恐れがあります。
・腕に行く血管に障害が出ると……腕が疲れやすい、脈がなくなってしまうなどの症状が出ます。
・大動脈に障害が出ると……心臓の弁に異常をきたして心臓の働きの異変や、大動脈瘤が生じることもあります。

■高安動脈炎、巨細胞性動脈炎の治療

多くの患者さんはステロイド剤による治療で、血管の炎症を鎮めることが可能です。最近はさまざまな画像診断や治療薬の進歩で、患者さんの治療経過は良くなっています。しかし、病状がひどくなってしまわないようにするために、早期診断と、専門医による早期の治療開始が大切です。

■ぜひ知っておいてほしい高安動脈炎、巨細胞性動脈炎を疑うサイン

どちらの病気も、炎症が起きた血管の違いでいろいろな症状が出ます。風邪のような症状が続く、例えば、3週間以上熱が続く場合で、加えて下記のような症状があれば、リウマチ・膠原病内科や循環器内科などの専門医を受診することをお勧めします。

「高安動脈炎」は若い女性に多く、腕を使っていると痛みが生じます。
・シャンプーをしたりドライヤーをかけたりすると腕が痛くなって使えなくなってくる。
・洗濯物を干していると腕がつらい。
・電車のつり革を長く持っていられない。
・重たい物が持てない。
・よく物を落とすようになった。
ほかにも頭痛、めまい、首が痛い、しつこい肩こり、などの症状がみられます。

「巨細胞性動脈炎」は高齢者の方に多いです。
・頭の片側の頭痛が続く。
・ご飯を食べていると顎が痛くなって、噛み続けられなくなる。
・急に片方の視力が低下し、見えにくくなる。
といった症状がみられます。

高安動脈炎、巨細胞性動脈炎は患者さんの数が少ない珍しい病気であるため、一般の病院のドクターが病気についてご存知でないこともあります。そのため診断が遅れ、気づかれないまま病気が進んでいることがあります。一人でも多くの方に、この高安動脈炎、巨細胞性動脈炎という病気があることを知ってほしいと思います。(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座准教授 杉原毅彦)

記事監修:中外製薬株式会社

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