黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に住宅情報サイト「SUUMO」の編集長である池本洋一が出演。編集長おすすめの街について訊いた。
黒木)今週のゲストは、リクルート住まいカンパニー、住宅情報サイト「SUUMO」編集長の池本洋一さんです。SUUMOでは毎年、「住みたい街ランキング」が発表されていまして、2020年では、関東版が3年連続で横浜、関西版は3年連続で西宮北口となっていました。人気になる街にはどのような理由があるのですか?
池本)街ごとに要素は違いますが、いままでは、名前が知られていて憧れというか、そこに住んでいたら「いいですね」と言ってもらえるような街が上位に上がりやすかったです。それと西宮北口もそうですが、「ワンストップ」と呼ばれる、通勤の利便性もよく、駅前に大きな商業施設や文化ホールがあり、他の街に行かなくても暮らしが充実するような街は、いままでは人気が高かったです。
黒木)これからは変わって来るということですか?
池本)最近私がおすすめしているのは、人気駅の隣街を狙うということです。例えば自由が丘という人気駅がありますが、その隣に「奥沢」や「緑が丘」という駅があります。当然、自由が丘の方が有名です。しかし、奥沢や緑が丘には、住民の方しか利用しないような素敵なカフェやレストランがあります。そこに行くと、同じお客さんが利用するので、顔見知りがつくりやすいです。少し歩けば、自由が丘のたくさんのお店を利用することもできます。コロナ禍において、自分の街に知り合いがたくさんいると安心ですし、いろいろな意味でストレスの発散になります。中心的な街過ぎると、店員さんが毎日変わったり、来る人もいろいろな人が入れ代わり立ち代わり来るので、街でお友達をつくりにくいと思います。そういう意味で、人気駅の隣街がちょうどいいと思います。
黒木)池本さんの取材記事を読ませていただくと、「2つ家を持つといい」というものがありますが、どういう意味ですか?
池本)「デュアラー」と言いますが、2拠点生活のことです。東京は東京で魅力的ですが、自然豊かな環境も欲しいときがあります。いままでは二者択一だったのですが、両方を求めることがトレンドとして増えて来ました。でも、お金がかかりそうではないですか。しかし、いい解決手段が出て来たのです。使わないときには、民泊などで人に合法的に貸せば、負担金をすべて自分で持つ必要がなくなります。また、サブスクリプションと言いますが、定額料金を払い、たくさんの人が共有して、全国にある部屋を空いているときに使えるというような仕組みがあります。いままで、2拠点生活はお金持ちの人の世界という感じでした。
黒木)別荘というような。
池本)世帯年収800万円未満の方々が、2拠点生活の半数を占めています。決してお金持ちのものではなく、身近なところで都心と田舎の生活にチャレンジして楽しむ方が確実に増えています。
池本洋一(いけもと・よういち)/(株)リクルート住まいカンパニー SUUMO編集長
■1972年滋賀県生まれ。
■1995年に上智大学新聞学科卒業後、株式会社リクルートに入社。
■住宅情報編集部、広告営業に携わった後、住宅情報タウンズ編集長、SUUMOマガジン編集長などを経て、2011年より現職。
■住みかえ検討者や業界関係者向けの講演、業界新聞での連載などを通じて住まいのトレンド発信を行う。住まいの専門家として各種メディアにも出演。リクルート住まい研究所所長・SUUMOリサーチセンターセンター長を兼任。
<SUUMO>
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番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳