ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月16日放送)に数量政策学者・内閣官房参与の高橋洋一が出演。新型コロナウイルス対策として新たに設けられた「まん延防止等重点措置」について解説した。
政府が新型コロナウイルス対策の改正特別措置法の流れを知事に通知
政府は新型コロナウイルス対策の改正特別措置法の2月13日施行に合わせ、新たに設けられた「まん延防止等重点措置」のもとで行う要請や命令の手続きの流れなどを通知した。
憲法に緊急事態条項のない日本~有事でも私権制限をすることが難しい
飯田)まん延防止等重点措置というものが新たに設けられる。緊急事態宣言と平時の真ん中という感じです。全体の法改正をどうご覧になりましたか?
高橋)有事の対応ができていないなかでやるので、少し不徹底になってしまいます。普通の国ならば、憲法に緊急事態条項というのがあって、「いざというときには、こういう手続きでやります」というものがあるので、私権制限については、手続きは厳格ですが、基本的にできるのです。でも、日本は緊急事態条項なしでやるから、この話がきちんとできない。そうなると、他の措置ということになり、こういう話が多くなるのです。
飯田)屋上屋を架すような。
高橋)有事の話を平時のときに議論していないと、こういうことになってしまうのです。しかし、憲法の議論はしたくないのでしょう。憲法の議論はしたくないけれど、世界の憲法のなかで、緊急事態条項のない国はほとんどありません。それがなくていろいろな法改正をすることは、大変ですよ。
包括的な有事体制をつくるべき
飯田)特別措置法の形で、いろいろな有事に対して「これにはこれ」というような。災害だけは災害特措法という柱がありますけれども、あとは全部パッチワークのようにはめている感じになっていますよね。
高橋)緊急事態条項がないからこうなってしまうのです。そのために、いつもそのときそのときにやる。それならば、まとめて緊急事態条項をつくって、包括的な有事体制をきちんとした方が手っ取り早いですよ。
飯田)そのときそのときで法律を決めるとそこで時間がかかるし、どこまでやるかというのも延長、延長になってしまうから、メリハリがなくなってしまう感じがします。
高橋)議論しているうちに終わってしまうのです。平時のときに緊急事態条項を立てて、包括的なものを1回つくっておけば、あとは応用問題ができるのだけれど、いつもそのときそのときでやることになる。そうすると「私権は制限していいのか、悪いのか」といつもそこで堂々めぐりになるでしょう。私権制限をしてはいけないということになると、いろいろな法規制は無理ですよ。
飯田)いまみたいに、空気によって、相互監視によって行動制限するというようなことになってしまう。
高橋)非常事態宣言なしで、「特措法はどうか」と議論しても、議論は収拾がつかないですよね。「有事法制がない」ということに帰着してしまうのです。
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